猫脳髄

スラッグスの猫脳髄のレビュー・感想・評価

スラッグス(1987年製作の映画)
3.2
スペイン産、動物パニック・ホラー。ショーン・ハトスンの原作は確かイギリスが舞台だったが、映画ではアメリカの地方都市に置き換えている。

事件らしい事件もない平和な街。立ち退きを渋る老人の家に踏み込んだ衛生官と保安官は、陰惨な死体を発見する。すると街では堰を切ったように死者が相次ぎ、同時に見たこともない巨大ナメクジの大群が這いずり回るのが発見され…という筋書き。

まあとにかくオープニングから出し惜しみしない。タイトルバックからクソデカクロナメクジがウヨウヨしている。そこかしこで徒党を組んで人を襲うが、出現スタイルがまたキモい。トイレ、水道(実は上水道に現れるのはストーリー上大きく矛盾しているのだが)など水回りはもとより、葉物野菜にも紛れ込んで、さ〜野菜サラダですよ〜と一緒に輪切りにされる(ブジュ)。おまけに寄生虫までバラ撒いて、食べちゃった被害者の頭がバクハツしちゃうのである。ああキモい。

しかし、ナメクジに対抗する衛生当局の主人公が説明能力に著しく欠ける(詰まるところバカ)ため、結局個人レベルでナメクジ軍団に対抗する羽目に陥るのである。しかも考えなしなので二次被害が甚大。ラストで「ナメクジ未だ滅びず」とて、1匹だけクロースアップしてもさすがに迫力に欠ける。

生理的嫌悪は否応なく高まり、ナメクジ諸君の熱演は買うが、いかんせん人間サイドの脚本・演出がともに今ひとつ。やたら派手なオーケストレーションも大げさ。キモさ抜群だけに惜しまれる。
猫脳髄

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