昼行灯

雨にぬれた舗道の昼行灯のレビュー・感想・評価

雨にぬれた舗道(1969年製作の映画)
3.9
こういうヤバい喪女、つくづく周りにいるよなあ、と…。性を忌避しながらも性を欲望するのは、社会的な抑圧もあってのことかもしれない。

物語は途中まで先が見えないけど、格子状の窓、そこに映る歪んだヒロインと主人公が度々映るのが結末を観客に予見させていたと思う。あと、ベッドの柵とか、ブラインドとか。場面転換にピンぼけが多用されるのもヒロインと売春婦、そして主人公の輪郭が曖昧になってくることを暗に示していたんだろう。
格子の演出は、主人公を閉じ込めるという意味もあるだろうが、ヒロインこそが殻に閉じこもってることを示唆してもいそう。

外部へ度々抜け出していた主人公がどうしてこのような結末を迎えてしまったのか、それはあまり共感が出来なかった。主人公もまた居場所がなかったのかもしれない。
昼行灯

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