KazueHagiya

華麗なるギャツビーのKazueHagiyaのレビュー・感想・評価

華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)
4.0
フィッツジェラルドの原作本を読んだのですが、何だかよくわかんないまま読み終わっちゃったので観てみました。
原作では叙述トリックがすごく効いていてまんまと混乱しましたが、映画では主述関係や時間軸、背景がよくわかってスッキリしました!!
それにしてもレオ様のギャツビーは本当にハマり役でしたね!!私が本を読んで思い描いたギャツビーそのものでした。まだ今みたいに劣化してなかったので(笑)、普通にかっこよかったです。今だったら、フィッツジェラルドが書きたかった人物像とはかけ離れた、いかにも、、、というようなあくどい億万長者に見えたかもしれませんね。

さて肝心の映画の感想ですが、ギャツビーの人物像が物語の鍵だと思います。それが忠実に描かれていたのがよかったと思います。
いかにも、、、な億万長者とは違う、お金は有り余るほど持ってるけど心は満たされなくて、充足を求めてお金では買えないものを追いかけてしまう、、、本当、藁にもすがるようなギャツビーの思いがひしひしと伝わってきました。やっぱり本当に大事なものって目には見えないものなんだっていうのを強く感じます。幸せとか充足は物質的なもので決まる訳ではないんですね。誰よりも繊細で、誰よりも脆くて、誰よりも純粋だったギャツビーはそれが為に誰よりも苦しむことになったんでしょうね、、、
それをわかっていたのは、語り手のニックだけでした。
ギャツビーもニックも、作者のフィッツジェラルド自身が投影されているような気がしました。ギャツビーは作家としての栄華を極め、摩天楼の寵児となったけど心は空っぽな繊細で脆く儚いフィッツジェラルド、ニックは自分が物質的には頂点を極めたけど心は違う…目には見えない大事なものを求めていることを客観視しているもう一人のフィッツジェラルド、、、
ってところですかね、、、?これはあくまで私の解釈ですが!!
今の自分には、すごく心に刺さる本と映画でした!!
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