ななこっこ

華麗なるギャツビーのななこっこのレビュー・感想・評価

華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)
5.0
何回観ても本当に素晴らしい作品だと思っています。観終わってから1週間は囚われの身になりそうなくらい、気持ちが全く落ち着いていません。長くなりますが独断と偏見による見所の紹介です。

この映画のすごいところは、人間の汚い部分(金、性愛、酒、野望、嫉妬、など)と純粋な美しさ(ギャツビーのデイジーに対する愛)を絶妙なバランスで表現しているところ。汚い部分も花や豪華絢爛な装飾品で寧ろ美しく見せていて、「本物を超越した偽物」の強さをひしひしと感じます。
でもこのバブリーな世界観、ハマる人はハマると思います。わたしが好きだったのは水上の上でパターゴルフをしたり、何百枚とあるギャツビーのシャツを上からばらまいたりするシーン。あんな贅沢な世界って日本にはどこを探してもないから、ひそかに憧れています。観るたび泣いてる。ああ好き。
もう100年くらい前の話なのにそれが全く古臭く感じさせないところもすごい。調べてみるとプラダとかミュウミュウとコラボしているらしいです。作者のスコットフィッツジェラルドがティファニーの顧客だったこともあって、ジュエリーとかお皿はティファニーのものを使っているみたい。これも好き。

一方で、不倫を悪いこととして描いているのもこの映画のいいところでした。
デイジーの旦那さんのトムもマートルと不倫をしてるけど、マートルは結局デイジーに殺されるし、一方でデイジーもギャツビーと不倫してたら、ジョージに撃たれて殺されるし。不倫は刺激的で楽しいけれど、永遠にうまく行くことは絶対にないというメッセージかなと思いました。

なんといってもギャツビーの役をレオ様が演じているのがハマり役すぎるんです。彼はかっこいいだけではなくて演技が死ぬほど上手なのでスタオベ。
勿論ギャツビーはお金持ちで余裕があって紳士で素敵な人なんだけど、どんな人か実はみんなあまり分かっていなくて、どこか謎めいたオーラに包まれている。その紳士なところと、胡散臭さを両立して演じることができるのは本当にすごいと思う。
花火と共に登場する時のドヤ顔とか、人を上から使う時の目を見ているとどんな人でも興奮すると思う。そもそも演技うんぬんではなくて顔面がタイプすぎて愛人に立候補したいですね。無理だけど。

デイジーは本当に頭がいいです。本当は金(トム)も愛情(ギャツビー)もどちらも手に入れたい、いつも自分に有利な立場についていく打算的な人なのに、頭が悪い振りをして生きているのがすごい。
でもこうなってしまったのも、間接的には夫であるトムが不倫をしていたからだし、トムがデイジーの不倫を責めるのは違くないか?とずっと思っていました。可哀想な人。
過去観ていた時は本当に間抜けな不貞女(褒めてる)だなと思ってたんだけど、結局は全部演技だったんでしょうね。最後ギャツビーのお葬式の事なんて顧みずに旅行に行ってしまう、あの強靭なメンタルが欲しいです。こんなに性格が悪いのに顔が可愛いだけで全部許せてしまうので可愛い事は本当に正義。女の子は可愛いバカであれ、というのは的を射た名言だと思いました。

レオ様は胡散臭く描かれているけど、デイジーのことを一途に愛しすぎて眩しい。
途中から頭がおかしくなっていくところが最高にクレイジーで大好き。
でも、トムに色々言われてからブチギレるシーンの最初の一声が「てめえ!黙れ!」なんだけど、個人的にこの翻訳はさすがに残念だなと思いました。
好きだからって川の向かい側に家建てるかな?不特定多数がやってくるパーティーをお金をかけて主催しようと思うかな?
今やったらただのメンヘラストーカーですよ。そのくらいレオ様に愛されたいな。(違う)

これだけ愛が深すぎる映画なので一生観られるように全編購入しちゃおうかな、などと考えたりしてます。
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