COZY922

舟を編むのCOZY922のレビュー・感想・評価

舟を編む(2013年製作の映画)
3.2
ホーチミンシティ行き機内で鑑賞。華やかで目を引き店頭の目立つところに置かれる雑誌と違って、いかにも地味な辞書。そのイメージそのままに辞書が出来上がるまでのプロセスも実に地味だ。根気が要る仕事だと薄々知ってはいたけど15年もの月日をかけているのに驚いてしまった。映画自体も地味で淡々と進んでいくけれど辞書作りにかける情熱にじわじわ引き込まれた。ただ、演出にちょっと行き過ぎ感や不自然さを感じてしまった。宮崎あおい演じるかぐやとの関係はほっこり微笑ましいしマジメ君も好きだけど、いくら主人公がちょっと変わり者で不器用な性格だからって、あの会話の不自然さはないと思う。この話のメインディッシュは辞書作りで恋愛や友情はあくまでもスパイスの位置付けだと思っていたけど違うのかな。どちらに話の軸があるのかわからない半端な かぐやの立ち位置はもう少し工夫の余地があると思いました。あと、すごく気になったのが下宿屋や居酒屋の内装とかたたずまい。1995年ってことだけど、1960年代って言ってもおかしくないような天井、柱、階段、電球、家具。田舎のおばあちゃんちでもここまでの時代錯誤感はなく、思いっきり違和感。
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