ぽよ

舟を編むのぽよのレビュー・感想・評価

舟を編む(2013年製作の映画)
3.9
タイトルだけ聴いたときに物語の内容を当てるのが難しいで賞。時代を超えて言葉を紡ぎ、大海を渡って行く船員たちの物語です。マジメくんと呼ばれる主人公、ちゃらついた同僚の西岡、厳かな国語学者の先生、そしてどこからか突然砂浜に漂流してきた綺麗な貝殻のような香具矢。どの登場人物も、物語が進むにつれてじんわりと温かい人間性を滲ませたように、とても地味だけど、ゆっくりと真皮に染み込んでいくような良い作品だった。

何より魅力的なのが馬締の住む『早雲荘』の美術。調べたけど中身は全てセットらしい。萎びた壁や軋む床、乱雑に積み上げられた建物の歴史を見事に再現していて、今にも古い木造家屋の匂いが漂ってくるかのようで、とても心が落ち着いた。

寡黙でクールなオダギリジョーもいいけど、こういうのもヨダレが垂れますね
ぽよ

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