舟を編むのぼずごんのレビュー・感想・評価

雑誌の編集などは物語の舞台として多く目にしてきたが、「辞書」の編集というのは初めて見た気がする。長い時間をかけて一つの「辞書」を作り出す作業、そこにかける作り手の熱い想い。真摯な作業に、真摯な語り口で応えた製作陣の誠実さ、熱い想いが、辞書づくりという地道な仕事にロマンを吹き込んでいた。今まで何気なく使っていた「辞書」にこのようなバックグラウンドがあることを知ることができたのも大きい。紙質に拘るエピソードには驚いた。登場人物はすべて魅力的で、演じたキャストはみな適役、物語に命を与えていた。