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ルビー・スパークスのMikiMickleのレビュー・感想・評価

ルビー・スパークス(2012年製作の映画)
3.9
若くして天才作家と呼ばれたカルヴィン(ポール・ダノ)は酷いスランプに陥っていた。

夢で光に包まれた女性を見て恋したカルヴィンは、彼女の事を書き始める。
すると、本当に彼女が、カルヴィンの彼女としてあらわれたのだ。
遂に頭がおかしくなったのかとパニくるカルヴィンだが、ルビー(ゾーイ・カザン)は、小説どおりに天真爛漫で魅力的で………

幸せな時間を過ごす2人。
書いた事が本当になるために、カルヴィンも途中で書く事をやめるの。

でも、依存から脱却し、少しずつ自由を持ち、自分の時間を楽しみだすルビー。
それに耐えかねて、そして嫉妬を抑えられずに、カルヴィンはまたタイプライターの前にむかってしまう………
ルビーを操ってしまうのだ…


簡単に言えば、理想の押し付けと自己解放の話なんだけれど、
男性の欲望を具現化したような話でもあるんけれど、
それでも、ラストのカルヴィンの行動にきちんと愛があり、切なさと痛々しさが合わさった、キュートでポップで素敵な恋と愛の話でした♪
カルヴィンの成長の話でもあります。


人を愛するということは、自分の気持ち優先でなく、自分の感情や願望を抑えても、相手の事を最も大事にする………という、当たり前の事を、不思議な設定によって更に強調させている映画だなぁと。


あと、男性にとっての理想の女性像も考えた。
もちろん、人それぞれの理想は違うけど、この主人公はルビーに「ちょっと変わってて、才能があって、天真爛漫で、一緒にいて楽しくて、自分は持ってるけど、僕の事だけを見てくれてる」っていう理想を持っててさ……
なんかその理想像、かわいいなって。
ルビーね、すごく可愛かった♪ビビッドなファッションも素敵♪


監督はジョナサン・デイトンとヴァレリー・ファリス夫婦。『リトルミスサンシャイン』の監督。あの、柔らかな雰囲気、色合いが同じで、心地よい♪

ポール・ダノとゾーイ・カザンも実際のカップルで、ゾーイ・カザンは脚本も。

ポール・ダノの困り顔ダメ男っぷり、健在(笑)
カルヴィンのお母さん夫婦はアネット・ベニングとアントニオ・バンデラス♪
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