ルネ

the Future ザ・フューチャーのルネのレビュー・感想・評価

the Future ザ・フューチャー(2011年製作の映画)
5.0
2013年日本公開。監督・脚本・主演はミランダ・ジュライ。

付き合って4年になる35歳のカップルが、あるキッカケから将来に不安を抱き、1か月間やりたいことをやってみるのだが・・・なお話。

前作の長編第一作である『君とボクの虹色の世界』もなんとも不思議だけれど絶対に忘れられない作品だったが、これもまた監督らしいシュールな展開。

ちょっと不思議ちゃんっぽい監督演じる女性のおかしなダンスなんかは、かなり面白いし三木聡的な笑いの要素もあるのだが、2人が未来に対して感じている不安はとてもリアルで身につまされるものがある。

そんな不安の中でやりたい事を探すのだが全然思うように行かない2人。そして結局「何者にもなれなかった」自分を認めざるえなくなる残酷な現実。 これは大人なった多くの人が感じた事のある想いなんじゃないかと思う。

おかしな人が沢山出てきて不可解な事を色々やってるのだが、なぜだか目が放せないし人生の重みを感じさせたりもする。

こうしたとても繊細な感情を表現してみせる監督の才能は素晴らしいと思ので、これからも新しい映画を作ってほしい。短編小説を書いて賞を獲ったりもしたようなので、そっちも読んでみます。

ちなみに音楽はジョン・ブライオンが手掛けていて、こちらもまた素晴らしかったです。
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