BLUE

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日のBLUEのレビュー・感想・評価

5.0
映画館で観れて本当に良かったと思える素晴らしい作品。

最初に観たときは、正直あまり話が理解できず単純にトラと人間の感動物語だと思ってました。
ですが、そんな単純な話ではないと気付きました。

1つ目の物語と2つ目の物語。
"あなたはどちらを信じる?"
トラ=もう一人の自分。
この話はトラと漂流した話ではなく、自分自身と向き合い自分自身と闘った話なんだと思いました。
主人公は漂流の中で自分の知らなかった自分の一面を知った。
それに対し、とても悩み苦しんだ。
その自分の知らなかった一面とは、内に秘められた凶暴性や野蛮性。
それが、"トラ"と比喩されている。
トラを殺そうとするが殺せないシーンにもよく表されていると思う。
物語が美しく幻想的な演出であるほど、その裏に隠された真実は過酷で残酷な現実。想像するだけで辛くなった。
たった一人船に取り残され、絶望の中に見たパイの希望の物語が1つ目の話なんだと思います。

何度観ても、散りばめられた伏線の発見や違った視点から見れるのでとても興味深いです。
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