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遺体 明日への十日間の福福吉吉のレビュー・感想・評価

遺体 明日への十日間(2012年製作の映画)
4.0
2011年3月11日、東日本大震災に襲われた岩手県釜石市で中学校の体育館を遺体安置所にして、次々と遺体が運び込まれる。混乱の中、誰も遺体の取り扱い方を気にする余裕もない状態だったが、元葬儀屋勤務の民生委員の相葉(西田敏行)は遺体を丁重に取り扱うよう取り組み始める。

東日本大震災で実際に多くの遺体が運び込まれた臨時の遺体安置所となった体育館での人々の悲しみや苦心を事細かに描いており、失われた命の重さを悲痛なくらい感じさせる作品でした。

震災に遭われた人々の悲しみが尽きることが無く、その悲しみに打ちひしがれ、苦しみ、それでもやるべきことをやるしかなかった遺体安置所で尽力された人々の心情が心に深く突き刺さってきました。

東日本大震災を描いた作品は他にも色々ありますが、失われた命の重さを伝える作品としては本作は群を抜いていると思います。
感動や劇的な展開など一切ありません。ただ真っ直ぐに悲しみを伝えていて、それが本作の良いところだと思います。

とても心に残る作品でした。観て良かったと思います。

鑑賞日:2023年6月29日
鑑賞方法:U-NEXT
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