とにかく観終わって一言、わかりにくい！終戦後、精神を患ったフレディが新興宗教の”マスター”に魅せられる、という単純な話では終わらず、最終的には両者の共依存みたいな部分を映し出した映画だが、解釈を鑑賞者に委ねるとかではなく、単純に説明が(恐らく意図的に)省かれまくっているので、登場人物の心情変化を追うのがとにかく難しい。
ただし、ホアキン・フェニックスの「本来もこういう人間なんじゃないか」とまで思わせるナチュラルに異常な演技・PTA監督の重くも美しい映像・前作から引き続き担当のジョニー・グリーンウッドの音楽はいずれも素晴らしく、ともすれば眠くなりそうな映画なのに２時間以上ずっと引き込まれる不思議な感覚に襲われる映画だった。冒頭で「わかりにくい」とか言っておいて何なんですが、娯楽性を求めない映画好きにはおすすめです。
ちなみにPTA監督の次回作もホアキンとのタッグとのこと。絶対観たい。
