MitsuhiroTani

藁の楯のMitsuhiroTaniのレビュー・感想・評価

藁の楯(2013年製作の映画)
3.5
大作としては、面白かった。ただ、三池監督作品に仕上がってないのが残念。できれば、大作を意識せず、いつもの感じで撮り直して欲しい。十三人の刺客、クローズ、ゼブラーマン。私の好きな三池作品は、群像劇的な面白さと、ガジェット的な面白さが融合した作品。だから、一人一人のキャラがピンと立っていて、一つ一つのエピソードの芸も細かい。十三人の刺客では、稲垣吾郎の演じる狂気の松平 斉韶に対し、十三人の刺客もみなアクが強く脂ギッシュでカッコ良かった。クローズにしても喧嘩のシーンの芸が、意外に細かかった。
とこらが本作は、清丸以外にアクがない。岸谷、伊武、山崎。本来、全身脂なんじゃないのと思える名優陣の表情や演技が小ざっぱりしている。皆あまり演じて楽しそうじゃない感じがした。三池監督だから、エグいシーンをもらえると期待して来たのに、肩透かしを食らったんじゃないか。
また、アクションシーンもロケも予算をかけ過ぎた?せいか大味な印象。舞台設定や予算規模を1ランク下げ、「九州から東京への移送」を「新宿署から霞が関警視庁」。移動手段も、新幹線から、地下鉄&JRに変えた方が良かったかも。つまり、日本版「16ブロック」のような狭い範囲での移動劇を期待。
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