マルコヴィッチ

岳 -ガク-のマルコヴィッチのレビュー・感想・評価

岳 -ガク-(2010年製作の映画)
3.5
『山には捨ててはいけないものがある。ゴミともうひとつは?』



山岳救助隊ボランティアとして働く主人公の三歩。あくる日山岳救助隊新隊員として椎名がやってくる。ひたすらに明るい性格の三歩と新人の椎名は遭難者の救助をしていくことになって…みたいな映画。



原作は未読ですが、ひたすらに明るい性格の三歩は漫画だと通用して実写化すると違和感しか無いことがあるので、その点今作は絶妙な温度感であまり違和感なく楽しめた。

新人の椎名は父が同じく山岳救助隊であったため、山岳救助隊に対するイメージがある程度固まっている様がリアルだった。

滑落し崖の出っ張りに落ちて死んでしまったら、担ぎ上げて下ろすことはなくそのまま突き落とし遺体を回収するなど、イメージの中ではありえないことが起き悩む姿がリアルで良い。

最近見たニュースで就職し配属されたが望んでいた部署じゃないから転職サイトに登録するみたいなことを言っていて、でもこの映画を見ながらふと希望の配属先に行けたとして、この椎名のようにイメージと現実のギャップに直面した時にどうなるのだろうと考えた。

またところどころ明らかにご都合主義が見えてしまったのは少し残念。

映画のようなけわしい山は厳しいがちょっと山登りしてみたくなる映画でした。