あつし

ニッポンの、みせものやさんのあつしのレビュー・感想・評価

3.9
日本最後の見世物小屋、大寅興行社を中心に舞台裏を記録した貴重なドキュメンタリー。
取材の中で、身体障害者や動物を使った見世物について当時の事を語るシーンがあった。今や人権問題、動物虐待の謗りを免れない演目でありもう二度と見ることはできないだろう。自分はリアルタイムでそれを見ることのできた最後の世代になると思う。おそらく興行を行う側の視点でそれを語り継ぐ人間も減っていくと思われる中で、こうして映像として資料が残ることは大きな意義がある。
今現在も見世物小屋は見ることができるが劇団やパフォーマーによるショーがメインとなっており所謂アンダーグラウンドな秘めやかな雰囲気は無くなっている。
伝統というものは形を変えながら受け継がれていくものだ、とは劇中でも語られていたが、やはり自分は昔ながらのおどろおどろしい妖しげな見世物小屋に惹かれてしまうし、時代とともに消えていくことが残念でならない。
あつし

あつし