からげんき

カルトのからげんきのレビュー・感想・評価

カルト(2012年製作の映画)
4.0
ネオが登場してからの面白さは異常



白石監督お決まりのフェイクドキュメンタリーでエクソシストをやるっていう映画

と、思いきやエクソシストですらない何かだった。正直めちゃくちゃ面白いよこれ

まぁ、前半はありがちな心霊番組の取材風POVで、いかにもエクソシスト的なお決まりの展開があったり。

正直、この映画怖さはマイルド寄りなので怖いのを期待しすぎないほうが良いかも

霊能者のおじさん達が除霊に奮闘するシーンは一見の価値あり

見ててなんだこりゃってなるんだけど、一応除霊できてる…のか?

とにかく「すぅ~…セイッ!!!」ってのが最高であります。


怖い話なんだけどどこかシュールで笑えるところもあって狙ってやってるのかってくらいこのバランスが本当に絶妙。

ホラーを笑いに変換できる人間にこそ見てほしい


そして後半から最強の霊能者『ネオ』が登場するんだけどこっからはもう最高に面白い!

ビジュアル系な非常に胡散臭いお兄さんが出てきたと思ったらめちゃくちゃ強いっていう

こんなのありかよ笑

そもそもネオって名前すら「マトリックス、知らねーの?」だから。

こいつのキャラが濃すぎて後半は最早バトル展開になるのが本当に秀逸。

前半は割りとシリアスだったのに
後半から怪異VSネオ様のくっそ熱い「男の戦い」に変貌する


なんか見てて行き当たりばったりな思いつきの脚本なんじゃないのかと疑いたくもなりますが、それを感じさせないライド感。そしてお話もただの心霊的な話ではなかったという展開…

タイトルの『カルト』、そういうことか。


とにかくクッソ胡散臭い手品師みたいな男・ネオが無双するのが見てて気持ちが良い。
悪ノリなのに謎の説得力があって面白すぎる

ここまで来るとPOVってことを完全に忘れがちだけど、このストーリーラインを全編POVで進めてるところは流石白石監督と言わざるを得ない。
下手な監督が撮ったら話がわけ分からなくなって破綻すると思う。

カメラで撮影していることに対する理由づけがしっかりしてるので違和感がないし、没入感もあり、話の推進力も損なわれてない…
あまり言及されないけどこの映画の凄いところの一つだと思う。

前半部分をわりとシリアスに描いたこと真面目そうな霊媒師を描いてきたが故に、後半の展開はふざけてんのかとでも言いたくなりながらも熱い戦いが待っている。

俺たちの戦いは始まったばかりだ。
からげんき

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