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チチを撮りにのmraのレビュー・感想・評価

チチを撮りに(2012年製作の映画)
3.9
2022年/151作目
父が女を作り離婚してシングルマザーに、3歳離れた2人の女姉妹。うちの家と全く同じ。なんなら母の髪型まで一緒。笑
出演者の飾らない演技がよい味を出していたなあ。
女手一つで私たちを立派に育て上げてくれた逞しい母の存在がとても恋しく映る映画でした。

何年も前に女を作って離婚した父が癌のため「最後に会いに来てほしい」と父の弟から電話があり、母ではなく姉妹が病院に向かうことに。でも移動中に父は早朝に亡くなったことを知り急遽私服のまま通夜に参列することに。

姉妹にとって初めて知る自分達の弟の存在。その子も父を亡くし母も男を作っていなくなったため小学4年生にして両親を失っていた。そのせいか妙に大人びた口調で話していたけど、姉妹の存在が嬉しかったのか、小さいながらに頑張って背伸びをしていたのか、最後に涙を流していたのは泣けた。

父の弟の奥さんは、姉妹が来たのは遺産相続の話をするためだという前提で2人を呼び出し話し始める。妹はどうしていいか分からない中、姉は啖呵を切って「そんなものいりません!」と遺産相続を破棄する念書にサイン。母も父と離婚するとき、啖呵を切って2人の親権を取ったのだそう。嫌なシーンだったけど、親子の血が流れているなあと微笑ましく映った。

姉妹にとって共に過ごした時間は少なかったから、妙に実感が湧かずどうにも悲しめない2人。目の前で父との最期の別れを惜しむ人たちの姿を見てやっと「自分たちは家族ではない」という疎外感を感じた姉は火葬前にその場を立ち去る。
その後、いつも黙って我慢ばかりする妹が姉に向かって「お母さんにちゃんと育ててもらいました、って言ってほしかった!」と叫ぶ。姉はハッとなりお別れをするため火葬場に戻る。

父に昔、一度だけ万引きをして怒られた経験があった姉。お骨上げの最中にひとつだけ骨をくすね「人生二度目の万引きしちゃった」というシーンはさすがに笑えた。お父さんの骨と商品を同じ表現にすな😂笑

妹もお父さんの写真を撮るミッションがあって、お骨上げの瞬間に突然「はいチーズ!」と大きな声で撮影したのにはびっくりした😂やっぱり2人ともお母さんの子だ😂

最後、母の職場に行って万引きした()父の骨を渡すと「あの人のにおいがする」と母は涙。その後「これ、お母ちゃんにくれる?お母ちゃんの好きにしていい?」と確認すると川に勢いよくポイ!「あーすっきりした!」やっぱり家族だわ😂笑

なかなか重いテーマだったものの、実感が湧かない姉妹の会話でクスッと笑えるところが多く1時間はあっという間だった!
あと、こういう映画には大体滝藤賢一さんが出ている説。🤔笑
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