若色

スリーピング ビューティー 禁断の悦びの若色のレビュー・感想・評価

3.0
期待して観てしまった。
川端康成文学を洋画化するには難しかったか。

若くて無垢で生意気ささえ美しい大学生ルーシーはバイトを掛け持ちし、家賃を滞納しながお金に困る生活を送る。
彼女がなぜそこまでお金に困るのかわからないが、どうやら金遣いが荒い母、返せる見込みのない奨学金、精神を病んだ謎の男の世話をしている様子が見えてくる。
フリーペーパーで見つけた老人給仕の仕事は、乳首が半分見えるブラジャーを身につけ、ワインを注ぎ、老人に足を掴まれ転び、散々な思いをしながらも大金を手にする。
しかし彼女は感情を表に出さない。すでにドールとしての役割をこなしているのが不気味だ。
唯一彼女が感情を表に出すのが、謎の男の世話をしている時のみであり、彼と一緒の時は泣いたり困ったり人間らしい振る舞いをする。おそらく彼の周りだけが彼女のエアースポットだったろうが、2人の関係性は最後まで本当にわからない。キスする直前までいったが友達止まりだけどお互い好き的な?このまどろっこしい関係も日本オマージュだったら監督の日本通は間違いない。
初めて睡眠薬を飲み、裸で寝転がる役目をおおせつかった際の老人と雇い主の会話は、小津安二郎が用いた真正面からのカメラショットを引用し、睡眠薬を溶かす小道具に茶筅を使用するところや、盆栽を登場させるあたりは、原作が日本のものであるリスペクトが散りばめられてる。
最後は無理矢理原作に寄せたつもりだろ、うが、ん?わたし一時停止押したか?という謎なラストであった。(静止の画面が20秒ほど続く)
主人公が激烈に可愛く、裸もスーパープリティなので、それ目的ならいいかも。
若色

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