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グレイヴ・エンカウンターズ2のBew666のレビュー・感想・評価

3.6
本作は1作目「グレイヴ・エンカウンターズ」が映画として公開され、ヒットした後のお話になっています。今回はなんと作中での時間で、前作から約10年の歳月が経過しているという面白い試みをしており、純粋に驚きました。1作目と同じことをしても意味がないというのをよく理解された作りになっており、1作目を壊さず、保管するようなストーリーは、見ていてとても好感が持てました。

本作のストーリーは、1作品目が映画として公開された後に、映画監督を夢見る主人公が1作目を酷評しているところから始まり、そこにある人物から謎の動画が送られて来ることで、実は「グレイヴエンカウンターズ」はフィクションではなく、本当にあった事件を映し出した記録映像ではないかという疑念から、実際に病院内に入り、病院の真実を暴くという、ドラマメインの作品にしているのは良かったですね。
なのでpovホラーという枠組みにはなっていますが、途中でpovでも無くなるので、いい続編だなと思いました。私はこの流れを見ていて、「REC」の1と2もこういう流れだったなぁと思い出しました。監督はそれらのファウンド・フッテージ映画を、かなり参考にしているんだなと、ホラーファンとしてなんだか少し嬉しくなりました。
なのでこれ単体では楽しめる訳ではなく、1作目とセットで見て初めて面白さが出てくるので、1作目は必須になります。

ホラー描写は、前作よりもかなり大胆になり、バンバン出てくるので、1作目の感じを期待すると肩透かしを食らいます。しかしこういう物として受け入れると、これもアリかなと納得できました。
この映画の1番の面白いポイントは、中盤なんだかんだで一度病院を出ることができるが、宿泊しているホテルのエレベーターに乗り、扉が開くとまた病院内という、絶望感たっぷりのシーンが1番良かったです。この一連の流れは非常に素晴らしく、病院内に入ってから、前作と同じような流れで来ており、少し飽きを感じていましたが、ここからまた作品に引き込んでくれるので、いいシーンでした。
後半以降は、POVホラーというよりも、「グレイヴ・エンカウンターズシリーズ」という作品としての面白さが非常に強く、1作目との繋がりや、前作以上に迷路感が増し、ダンジョンのようになった病院内。映画「CUBE」を想起させるような動く館内。ある人物が書いた手書きの地図など、どこかRPGの様なゲーム的な面白さになっており、飽きさせないための工夫を、いろんなところで感じることができて良かったです。

最後に、怖さよりも、続編としての面白さに舵を切ったのはいい判断だなと見ていて思いましたが、怖さはほぼ無いので、そこが残念な所でした。

🙇🏻‍♂️読んでいただきありがとうございました🙇🏻‍♂️
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