やっぱりカルカン

風立ちぬのやっぱりカルカンのレビュー・感想・評価

風立ちぬ(2013年製作の映画)
3.5
3回目の視聴。
これは完全に大人向けの映画ですね。絵柄に合っているかどうかは別として庵野監督の声、個人的には大好きです。絵とのギャップにも10分ぐらいで慣れます。

私は庵野監督(ご夫妻とも)のファンなので贔屓目もあると思うのですが、静かで優しい声・絞り出すような声・わざと掠れさせた消え入るような声・悲しみを押し殺すような声など、監督ご自身の繊細さや優しさがセリフに滲み出ていて胸がキュンとします。

そもそも天才・堀越二郎の声優を天才・庵野秀明にやらせようと考えつくなんて!こんな映画を作れるのは、正真正銘宮崎駿監督しか居ません。
「零戦を作った男が主人公の映画を作ります。声優は庵野秀明で行きます」…普通の会社ではこんな企画絶対に通りません。
ちなみに、そんな風立ちぬはジブリ映画の歴代興行収入ランキング5位。(120.2億円)本当にすごい事です(笑)

映画の最初はゆったりしているのですが、最後バタバタしてあれよあれよと言う間に終わる印象があります。
今見ると地震(関東大震災)と感染症(結核)の描写がどちらも胸にグッときますね…
私は軽井沢のくだりが一番好きかもしれません。それからのストーリーは本当に、ずっとハラハラします。

見終わった後は少し悲しいのですが、受け取り方によっては前向きなラストにも感じられます。
繰り返しになりますが大人向けの映画で、ベッドシーンと思われる描写もありますのでお子様の視聴にはご配慮くださいね。