MIDNIGHT

風立ちぬのMIDNIGHTのレビュー・感想・評価

風立ちぬ(2013年製作の映画)
5.0
…残酷なのは戦争じゃない。夢の持つ力が残酷なのだ。されど夢は美しい…

公開時、劇場で見た。当時は小学4,5年生。あれから少し大人になって、色々と分かるようになった。そして、この作品の素晴らしさに気づくことができた。

宮崎駿の創作家とての自己収斂から生まれた作品。彼が大好きなもをの詰め込んだハッピーセット。良くも悪くも独りよがり。
でもそこがいい。結局、創作家が一番光り輝くのは、自分が好きな事をしている時なのだから。

庵野秀明を声優に起用したのは英断だと思う。
ベースに敷かれた 堀辰雄 著作の「風立ちぬ」は、逃れ得ぬ死を前にしながらも、落ち着いた、清々しささえ感じるような作風だ。
庵野の、素人ならではの感情の起伏が分かりにくい、単調な喋り方はこの作品のイメージにピッタリだったと思う。

……美しいながらもどこか残酷さ、毒々しさを感じる本作はジブリでも異色。
ファンタジーと現実が幻想的に織り交ぜられた脚本はとても神秘的だった……
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