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風立ちぬのseiitaishogunのレビュー・感想・評価

風立ちぬ(2013年製作の映画)
3.5
2回目。
エゴイズム。

史実とファンタジーが入り混じる不思議な作品だなぁと思う。
堀越二郎さんといえば零戦の設計者として有名だが、一番有名な零戦の設計に関わるエピソードは全く描かず、最後の夢のシーンで「あとは皆さんご存知の通り」とでも言うように残骸だけを見せてさらりとカプローニさんと語らうシーンが一番ジーンとくる。

この映画の二郎さんは、あの時代の男性らしからぬ人物像だなぁと言うのが印象的。ストレートな愛情表現だったり、浮世(目前の戦争という現実)を見ずに美しい飛行機を作る夢だけを追っている様だったりが、時代に沿わないどこか浮世離れしたキャラクター性を際立たせている。そう思うと庵野の浮いた演技も狙いとしてマッチしている気がしなくもない。全体的に「浮いた人」という事なんだろうと思う。

最後の長編監督作品…でもやっぱり宮崎駿の冒険ファンタジー的なのをもう一回くらい見たいのだ…。
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