はしもと

名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)のはしもとのレビュー・感想・評価

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2020.5.18
コナン映画第17作。
めちゃくちゃ面白い!コナン映画らしくない一作。なので好き嫌いは分かれてしまうのかもしれないが…。

とにかくミステリ色が強いのだ。コナン映画ではお馴染みの派手な爆破もなく、犯人は勿論だが異なる立場のさまざまな人間の思惑が行き交い、ストーリーの奥行きがすごい。片腕だけ見つかるという類いの恐ろしさもコナン作品では珍しい。京都府警と大阪府警が絡んでくるのも個人的には嬉しいところ。

そして演出がアツい!今までのコナン映画でこんなのあったか?と思うようなところが多数。コナンが違和感と推理にぐるぐる囲まれて真実を掴みに行くのはちょっと笑ってしまった。「俺がそばにいねーと不安なのか?」と新一が蘭をおちょくるのは珍しくてニヤニヤ。平次と一葉の距離感の見せ方がちょっとエッチでドキドキしたり。片腕を見つけた自衛官の「うわー!」や蘭が空手で立ち向かって犯人が「え?」となるシーンはリアルだなあと思わされたり。サッカーボールで人が天高くふっ飛ぶのは気持ちのいいめちゃくちゃっぷり。主題歌をバックに本編の続きを見せるのもコナン映画では珍しい。あわせて斉藤和義の歌声が爽やかなエンディングを作っている。からのコナンの最後の台詞「ただの小学1年生さ」が渋すぎる。

ミステリ色が強いからこそクスッと笑えるシーンが映えるというのも本作のよさ。コナンのトイレの回数につっこむ歩美ちゃんたち、ちっさい姉さん(ダブルミーニング?)、平次の「やめ!泣くな!」(あんなかわいい一葉初めて)などなど。あと元太が豪快にあずきバーを食べるのはさすが。あれめちゃくちゃ固いでしょ。