Kentaro

そして父になるのKentaroのレビュー・感想・評価

そして父になる(2013年製作の映画)
4.4
かなり心揺さぶられる作品でした。
是枝裕和監督の作品は「誰も知らない」と「万引き家族」と「真実」を観ましたが、その中でも1番好きな作品かもしれません。

福山雅治のキャラクターが主人公でしたが、中盤までなかなか好きになれなかったです。それは愛情と呼べるものが全く見てとれない父親だったからです。彼が相手の親に「子を2人とも譲ってくれないですか?」と聞いたときは、こいつやばいなって思いましたもん。笑 でも彼が彼の親にも同じような育て方で育てられて、子供の育て方を知らないんだなと理解でき、同情しちゃいました。
そんな父親に不運にもこんな災難が降りかかったしまうが、それを乗り越えて本当の父親になる話です。

妻のみどりがいちばん辛いと思います。他人の嫉妬で子を取り違えられてしまい、夫はその事実から逃げようとする。その間で子供を1人で世話をしないといけない。常人なら耐えられないでしょう。
最後まで耐え抜いてラストの場面では微笑ましく両側の親も仲良く子供たちも仲良さそうにしていて涙が出てしまいました。笑
琉晴が福山雅治にずっと「なんで?」と聞き返すシーンでやっぱり似てるなぁって思いましたね。笑

福山雅治とリリーフランキーの家族の間の経済的格差もみてとれて、世にある偏見の問題なども上手く盛り込んでるなと感じました。
俳優たちはみんな演技は素晴らしく、子役たちもすごくナチュラルで演技しているようには見えなかったです。

是枝監督の作品は、「普通」とは違う家族を描く作品が多いですが、これもそのうちの傑作だと思いました。
大人になってからまた見返したいですね。
Kentaro

Kentaro