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そして父になるのgarura07のレビュー・感想・評価

そして父になる(2013年製作の映画)
4.5
初めての是枝裕和作品なんですが、号泣したし、演出の上手さに感動しました。

何より視点の作り方が上手いと感じた。終始主人公の福山雅治の視点で物語が進んでいく本作。主人公視点で見ると際立つのがリリー・フランキーの存在の異質さ。彼の演技も相まって映画に緊張感を与え、一筋縄ではいかない展開を予感させる。

そんな緊張感とは対照的に子役たちの自然体そのものの演技が印象的。子役が画面にいる時は彼らが映画の中心となり、重苦しい雰囲気の中に一時の癒やしを与えてくれ、それがなおのこと事態の深刻さを際立たせる。

映像的な表現も目を見張る。照明の使い方やクライマックスの福山雅治と啓太の併走シーンなどキャラクターの心情を丁寧かつエモーショナルに表現して共感と感動を誘う。

また大変失礼ながら福山雅治がこんなに演技で輝く人だとは思わなかった。子供に暖かく接しながらも、どこか距離を感じさせる絶妙な塩梅の演技が素晴らしくて驚かされた。本当に舐めててすみませんでした。あと是枝作品これからどんどん観ていきます。
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