まっつん

ヘルレイザー3のまっつんのレビュー・感想・評価

ヘルレイザー3(1992年製作の映画)
3.7
久々に観たヘルレイザーの3作目。前2作はホラーの名作と誉れ高く、個人的にも大好きな作品ですね。年1ぐらいでは見返してるんじゃないかしらん?

そして今回はおそらく1回くらいしか観ていないためか、印象の薄い3作目をふと見返してみたわけです。世間一般には「ヘルレイザーシリーズは2まで観とけ!3からは目も当てられん!」みたいな風潮が強いと思うのですが、いや!3だって捨てたもんじゃねぇぞ!ということを僕は言いたい。たしかに、いい映画とは思わない!問題は沢山ありますよ。「1.2は見返すくせに3は全く見返さねぇその姿勢に既に答えがあるのではないか?」と詰められれば、返す言葉もありません。がしかし、見返してないと言えどもそこまで悪い印象があったわけでもないのだ….という言い訳をしたくなってしまうぐらいには嫌いになれなかったりもする。

1と2は正しくクライヴ・バーカー的な倒錯した感覚を暗黒で煮詰めた強力なオリジナリティがありました。1から2の世界観の広がりも素晴らしい。特に2なんかは何度観ても意味が分からないんだけど、それを凌駕する独特の世界観とバイブスがある。で、3は2の直接的な続編でありながら、あまりにメインストリームなホラー映画に成り下がってしまった....という意見は凄く良く分かります。たしかに1.2にあった奇怪で背徳的な楽しみはない。しかし、3は前2作には無かった迸るまでのサービス精神があるではないか!と思うわけです。

特に後半のサービス精神の爆発具合は凄い。物語の発端となるナイトクラブでの創意工夫溢れる大殺戮。こういうシーンがあるだけで俺はもう好きになっちゃうわけ!バカだから!そして、ナイトクラブの殺戮の結果生まれた新入りセノバイトの皆さんが街へ繰り出す!新入りたちのデザインの酷さとかはあるがそんな事はどうでもいい!「セノバイトって『究極の快楽を求める』ことを自ら選び取った末になるんだよね?ゾンビ的に誰でもなれるわけじゃないよね?」というド正論を投げかけて来る奴にはクソぶっかけてやる!うるせぇ!明らかにポンコツとしか思えない新入りセノバイトの皆さんが、あろうことか軽口を叩きながら街中の善男善女を殺して回るなか、カリスマ性抜群な有名セノバイト、ピンヘッド氏がカッコよく登場!ここだけで鑑賞料金分の元は取れていると思うわけです。僕は1.2で現れた地獄世界が現実にやって来る....というホラー/モンスター映画の定石を忠実にやっていると思うんですよ。ほら、「ジュラシックパーク/ロストワールド」だって後半、街でティラノサウルスが大暴れするとこが面白いわけじゃん。

と書いていて「やはり1.2のテイストを期待してると肩透かしを喰らうか....」という気分になってきましたが、最悪ヘルレイザーとは別物として楽しめばいいじゃないか!2から無理矢理気味に発生させた遺恨も、無理矢理気味に解決してるし一件落着である。そして、本当の地獄は4作目からやって来るのであった...というのはまた別の話。。。