2012年公開。 監督・脚本はアグスティ・ビリャロンガ。
エミリ・テシドール同名小説を基に、同じテシドールの小説『Retrat d'un assassí d'ocells』と『Sic transit Gloria Swanson』の要素を加えて映画化した作品。
アカデミー外国語映画賞のスペイン代表に選ばれ、ゴヤ賞では14部門のノミネートを受け、作品賞をはじめとする9部門で受賞。
1940年代、内戦後のスペイン・カタルーニャの山村が舞台。 馬車に乗った父と子が何者かに殺害され、馬車ごと崖から転落させられる。この事件を目撃した 11歳の少年の目を通し、反政府活動をしている父や家族などが描かれ、犯人が徐々に明らかになっていくストーリー。
冒頭の馬車が落下するシーンが凄まじくて、本物の馬が落ちているようにしか見えない。 父は理想化でかっこいい事を言うのだが甲斐性がなくて、母とケンカをしてたり、政府に追われて逃げたりと忙しい。
そんな事もあり少年は父の実家で暮らす事になるのだが、ここで出会ったいとこの女の子がこれまたショッキングで、学校の先生と関係を持っていたり、裸でベランダに立ったりとアバンギャルド。
スペイン内戦と子供という組合せから、トラウマ必至の名作『パンズ・ラビリンス』 や『ミツバチのささやき』なんかと雰囲気は似てると思う。
主人公が初期のブレット・アンダーソン(スウェード)級に美しい美青年に出会ったり、 資産家のおばさん(デブ)の養子になる話が出たりと色々巻き起こります。
展開がぎこちなかったり、謎解きが大した事なかったりするのですが、最後の少年 と母親のシーンがあまりにも悲しすぎて打ちのめされました。
陰鬱でダウナーな雰囲気に浸れる作品です。