この地に来て、去っていくよそ者は、従弟の少年だったのかもしれないと思った。
湯川は列車で用心棒のようにやって来て去っていくという捉え方をしてしまったんだけど、これはそういう横移動にではなく、上下動にこそ込められてるものがある。潜る、花火、ペットボトルロケット、ホスピスで落ちた写真を拾う、落ちていく赤い傘。重要なシーンはすべて上下の動きなんだ。
冒頭の説明会のシーンで映画と湯川の役割までも提示されていて、海底資源を掘り起こすことと、そのアドバイザーというところに、秘密を掘り起こすということが懸けられていたんだな。
ペットボトルロケットのシーンは、すごく映画的であると同時に、秘密を見つけてしまうということを運動で示唆していて、だからその後の湯川には真実への動機が生まれるのか。
あまりにも傑作すぎた。柳島克己のカメラ最高だ。シリーズ随一の傑作です。