好き嫌いが分かれるウォン・カーウァイ監督が描いた、武術家達の哀しき物語。監督のお家芸でもある情感漂うゆったりとした映像、煙草の煙、雨、男と女、縁、健在です。
さらに、鉄靴を履いたカン・リーとの雨の闘い、金楼での各流派との手合わせ、マックス・チャンの形意拳、チャン・ツィイーの八卦掌、ワン・チンシアンの渋い演技、ソン・ヘギョの涙も魅力的。
中でも私が印象的だったのが、大晦日の駅でのシークエンス、雪の中でのチャン・ツィイーの演舞。そして、トニー・レオンとチャン・ツィイーの美し過ぎるシークエンス全てです。あ、マックス・チャンは顔も功夫も良いので今後に期待できますね。チャン・チェンはカットされたのか消化不良でした…。(劇場公開版はかなりカットしているそうです。せめて香港版をBlu-rayに収録してほしかったですし、編集次第でもっと良くなる作品ですよね。劇場公開版だとチャン・チェンのシーンはなくても問題無かったです。それに、Blu-rayがスチールブックじゃなくスチールケースなのも残念。せめてシンプルに黒ケースにすればいいのに…。)
因みに、アクションはドニー・イェンの様な激しく爽快感のあるものではなく、美しく儚い戦いなので、｢グリーン・デスティニー｣('00)、｢花様年華｣('00)、｢HERO｣('02)、チャン・ツィイーが好きな人は楽しめると思います。(もちろんフィクションですし、日本軍云々の所は相変わらずの中国節ですが、そこを除けば大人が堪能できる作品です。)
