Sono

最高の人生のはじめ方のSonoのレビュー・感想・評価

最高の人生のはじめ方(2012年製作の映画)
3.3
わかりやすく教養を得られる作品。
ディズニー映画が好きな人が好みそうな、心温まる系。

と、偏屈に言おうとすれば人間いくらでも偏屈になれる。

しかし、「見方を変えれば」物事はいくらでも変化する。
その文化的価値や善悪、優劣の基準などいくらでも変容しうる。
愛や宗教についても同じだ。
ある人にとって宗教は”悪(戦争)の根源”だが、
ある人にとっては”救い”になる。
愛によって弱くなる人間もいれば、強くなる人間もいる。
ようは受け取り方、解釈の問題なのだ。そして、その受け取り方の幅は往々にして”想像力”によるところが大きい。


「目には見えないものを見ろ」

モンテ(モーガン・フリーマン)が繰り返し口にするこの言葉は、
いまを生きる私たちに”想像力”の大切さと素晴らしさを説いてくれる。
目に見えるものは努力しなくても見えるが、
目に見えないものは、見ようとしない者には存在しないも同然である。
しかし、心を開き、その存在を感じようとする者には
”想像力”は優しく語りかけ、頬を撫で、世界の素晴らしさを教えてくれるだろう。実際、今朝この映画を観てから外に出たら、太陽が暖かい日差しで私を迎え入れてくれた気がした。風が私の背中をそっと押したので、走り出したくなった。走る私を見て、木に茂る葉がクスクスと笑い声を立て、晴天は鼓舞してくれていた。「ただの想像だ」と否定する人もいるかもしれないが、想像は創造を生む、現実と同じだけ大切なものだ。

この映画が、そのことを教えてくれる。
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