人は常に自分の役割を演じている。なおかつ、心のどこかで人生をやり直したいと切望している。その結果、やり直すことが出来たとしても同じ事。新しい役割を演じていくことになるだけなのだ。この世で起きているあらゆる事は、演じている人間によって作られたもの。その集合体だ。演じ方が分からない者、演じる術を持たない者は、ただだまって座席に座り、目の前で起きている事を眺めているしか無い。冒頭の観客のように。
そうならないためには、疲れてモチベーションが下がってきたとしても、明日もアポをこなすしかないのだ。運転手セリーヌさえも車を降りたら仮面を被った。
それが人の宿命なのだろうか。