ホーリー・モーターズの作品情報・感想・評価

「ホーリー・モーターズ」に投稿された感想・評価

響介

響介の感想・評価

4.7
天才か…こんなのカラックスにしか撮れんやろ
車でスパークス流してる主人公いいね

このレビューはネタバレを含みます

様々なジャンルを行き交い、バラバラな映画を散りばめている。
レオス カラックス監督の、作品と、人生の反映になっているように思えた。
アコーディオンのシーン、メルドの場面など、見応えたっぷりだった。
よく理解できない不思議な映画でした…オムニバスなのかこれは?!
すう氏

すう氏の感想・評価

3.5
ちょっと前にアマプラのおすすめに、なんか変わった映画があるなと思ったらカラックスだったなんて、俺もずいぶんフランス映画を忘れてしまっていた、やばい、というのがFilmarksを始めたきっかけでもあるんだけど。

やはりカラックスの映像は美しい。レビューをみると結構イタイ感想が多いが、映像の瞬間瞬間をそれだけで感じるのがまずはカラックスの良さだと思うし、病んでるカラックスも好きだし病んでるストーリーも尚好きな私としては、また、ほんとの老害ジジイになってからまた観たい映画となったかな。
カラックスのユーロスペース30年記念として制作された作品。カラックスは「恋人」を描く。本作は全てカップルの話だ。9つの恋人たちの「ランデヴー」で構成されている。「怪物」もカラックスの主題だ。本作もドゥニ・ラヴァンが怪演している。
カラックスは「断片」や「部位」の作家である。本作も断片的で突然劇的になる。突然歌い出す。まさにミュージカル的であり、カラックスが後に「アネット」を作るのは当然の流れかもしれない。
本作は「高さ」の映画だ。登る、飛び降りる、が頻出する。
さらに本作は殺人、死の匂いが充満している。
パリの夜のネオンが車のロングボディや窓に映り込みのが官能的だ。

本作は断片の映画だ。イメージの羅列である。しかし狂っている。変異株だ。もはや映画と言えるだろうか?ギリギリである。
ヴェンダースの「ロードムービー」あるいは「日記映画」、ジャームッシュの「オムニバス」、そしてカラックスの「断片」、1980年代に一世を風靡した3人に共通するのは「もはや物語は語り尽くされてしまった。全ては引用でしかない」というテーゼだ。だから「大きな物語」を作れない。このテーゼはゴダールが提示したもので、いまだ乗り越えられていない。この停滞感は現在の映画まで続いていると言える。
敢えて言うならばヴェンダースもジャームッシュもカラックスもひ弱だ。彼らが敬愛する1950年代のシネアスト達の暗さを引き摺っているかのように新作を撮らなくなっている。ブニュエルやパゾリーニのように、もっと太々しく、ぬけぬけと量産して欲しい。映画はそもそもが出鱈目でいい加減なのである。それはジョン・フォードやマキノ雅弘の作品が見事に証明している。カラックスは痛ましい。希望がないからだ。希望とは「映画の未来」だ。カラックスにはもっと図太くなって欲しい。
s

sの感想・評価

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この作品はよくわからなかったのでいろんなレビューを読んで理解を深めることにした。
セルフオマージュがあるとのことで、アネットしか観たことがない私は完全に観るタイミングを間違った作品でもある。

あのおじいさんがミシェル・ピコリだったのか。
この世界に労働基準法はないんか…?という野暮な疑問が浮かぶラストだった。
監督がやりたいことをやってる自己満映画(良い意味で)
謎でしかなかったけど嫌いじゃない
フランスだからか画は綺麗
「ポーラX」以来のレオス・カラックス作品という事だが、この「ポーラX」もよく分からない作品だった。
なので必然的にこの作品もそういう系統なのだろうと思ってみた。

オスカーは銀行家でリムジンに乗って仕事に出たが、車内ではなぜかメイクを施し物乞いの婆さんになったり、怪人になったり、娘の父親になったりなど別の人間を演じ始めていく。

その理由を求める類でないのは分かるが、その変身願望が次第に理解できるようになる。
何とも不思議な1日を送る男の話だが、好き嫌いは分かれると思う。
観賞後にwikipedia読んだら、へーーーって思うくらい、感じたことと違う難しいこと(映画史とか)がいっぱい書いてあった。最初はやっぱりレオス・カラックス天才だわ、この発想も映像もすごいわと感動してウキウキしてたんだけど、どんどん大丈夫?となり、見終わっての感想は、カラックス、病んでない?と思った。

全編悲しみに包まれていて、人生の時間を切り売りして生きる役者の悲哀と苦痛のみしか感じられなかった。「トゥルーマンショー」に近い気持ちの悪さが残り、これは墓碑なのかも、と思った。実際に墓地や死のシーンばかり。

エンドロールで公開の前年に亡くなった妻のカテリーナ・ゴルベワの写真がアップされるし、意味深すぎる。妻への献辞なんだろうか。

ドニ・ラヴァンの七変化はもちろんすごい。でも、どの章も痛みしかない。役者のオスカー(ドニ・ラヴァン)が唯一心を許して話せるのがドライバーのセリーヌ。彼女だけが演じていないと思っている。誰もが演技に見えて、現実感が遠くなり、人を信頼できなくなっていくオスカー。この名前は皮肉。

やはりこの時期、カラックス病んでいたんじゃないでしょうか。

発想は天才ではあるけど、芸術には昇華されていない生のむき出しの感情をストレートに表しただけに感じました。料理されていない生もの。消化できていない感情。好きじゃない。
butasu

butasuの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

何だこれ。男がリムジンに乗り、行く先々で様々な"アポ"をこなしていく話。ストーリーは無い。仕事は色々な人物を演じることのようだが、そこにはカメラもなく、一体何のためにこんなことをしているのかは全くわからないまま。しかしそれぞれのアポの内容がなんというかちょっと奇抜で芸術的で予想がつかないので、こんなにわけのわからない映画なのに気がついたら最後まで観てしまった。

モンスターのエロシーンのためのモーションアクターだったり、浮浪者だったり、撮影中のモデルを誘拐して肌を隠したり、年頃の娘を心配する父親だったり、死体になりきってみたり、人を殺したり。どんな怪我もたちどころになかったことになる不思議仕様。ラスト直前にはどうやらアポではなさそうな、元カノであるカイリー・ミノーグとのミュージカルシーンが入る。そうして彼は最後のアポとしてチンパンジーの妻と子が待つ家に帰宅していくのだ。途中でインターミッションとして挟まるアコーディオンの演奏シーンが好き。

唯一、己をさらけ出す場所であるのがリムジンの中。女性運転手との会話があまりに普通で、その間は彼もちょっとホッとしているような雰囲気があり、なんだか切ない気持ちにさせられた。かと思えば最後はリムジン同士が会話していたりするから、本当この映画は意味不明で面白い。

劇場のシーンから一日が始まることを考えれば、"映画"や"演劇"というものに対する不自然な滑稽さや奇妙さ、執着、そして美しさや憧れを描いたのではないだろうか。演じることに疲れた、とでも言いたそうな、元カノの自殺シーンがなんとも物哀しい。

あとから知ったのだが、本作は監督の過去作を含む様々な映画のオマージュで作られているらしい。なるほど、だとすれば、自分の理解もあながち間違っていなかったのかもしれない。

たださすがにテンポは悪すぎた。正直3倍速くらいで観るのがちょうど良いのではないかと感じるレベルで何もかもが遅い。もうちょっとコンパクトだったらもう一回観直したいと思う程度には好きだったなぁ。あと、ゴジラのテーマが流れたのにはテンションが上がった。

詳しいことはよくわからないけど、よくわからないままでも十分面白い、そんな映画だった。
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