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ホーリー・モーターズのザのレビュー・感想・評価

ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)
4.3
再見したので記録。
これを見たのはかなり前なのでほとんど記憶が薄れていたのだけど、当時の私は映画でこんなことやっても良いんだ!という衝撃の映画体験として記憶に焼き付いており、当時のオールタイムベストと言っても良いくらいだったのだが、やっぱり確実に人生の中で大切な作品の一つと言っても過言では無いと再確認出来た。今見たら所謂なんだこれ?的な驚きはむしろ少なくて、ドニラヴァンが色んな人物を演じることは生きることの体現であり、これもまたカラックスの自己投影もあったんだろうなと感じる部分が多く、そんなに映画たくさん撮ってるわけじゃない割に、めっちゃ疲れてるんだなこの人と思った。もちろん常に何かを演じていなきゃいけないような世の中に対するアンチテーゼや皮肉も込めていると思うが、父親であること、映画監督であることのプレッシャーをカラックスレベルの人でも感じるのか、という勝手な推察。実はアネットよりも全然暗い話だったんでは?と思ってきた。逆に約9年後にアネットの様な作品を作れたということは結構彼の中でポジティブな事だったのかもしれないと勝手にホッとしてる。そしてこの時からSparksとミュージカルだったのね。
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