ササキ

水の話のササキのレビュー・感想・評価

水の話(1958年製作の映画)
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人工的なスタジオから飛び出し、現実の生きた空気にカメラを触れさせ、その瑞々しい世界を映し出すこと。大洪水の知らせを聞いたトリュフォーとゴダールがこれは映画にすべきだと意気投合して企画されたことはまさしくヌーヴェル・ヴァーグの時代を象徴するエピーソードとして微笑ましい。たとえ洪水で町が水浸しになったとしても、男と女が出会えば恋をするのが映画であり、男と女、一台の車があれば映画になる、という2人の声が聞こえてくるようなシナリオでトリュフォーの流麗な映像とゴダールの破天荒な編集を同時に楽しめる稀有な作品。これもゴダールらしい詩の引用が多いが、はじめの方で「知らない人はごめんね」みたいな台詞があって可愛かった。
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