洋梨

ラッシュ/プライドと友情の洋梨のレビュー・感想・評価

ラッシュ/プライドと友情(2013年製作の映画)
3.9
子供の頃流行ってましたねえ。漫画「サーキットの狼」が火を付けたスーパーカー・ブーム。ランボルギーニ・ミウラとイオタの違い、なんて当時は覚えていたけどもう忘れてしまったなあ。そんなブームも後押しして日本でF1グランプリを初開催することになりました。タイレル6輪車のプラモは当然買いましたし、JPSロータスの黒いマシンも恰好良くて好きでした。当時はTBSが同時生中継したんですよ。でも本作が描く1976年の第1回はあまり覚えてないなあ。観客を巻き込んだ死亡事故のあった翌年の第2回は強烈に覚えているんですが。
そういう原体験やモータースポーツの知識がなくても本作は十分に楽しめる映画です。本当に判り易く作ってあります。破滅型で享楽的な熱血漢と利に聡い冷静な分析家の対比は、戦隊ヒーローもののレッドとブルーのようです。破天荒な中に見えるひ弱さと冷静さの中に見える情熱、真っ赤な炎と青白い炎、男ならどちらの生き方にも共感する部分が必ずあります。癇に障る嫌な奴だけど実力は一目置いている者同士が、確執を乗り越えて互いに尊敬し合うラストはとても爽やかです。
本作が伝記映画として優れているのは勿論ですが、おっさん世代にとっては、昭和レトロ映画としてもグッと来るものがありました。1976年というと、猪木VSアリの異種格闘技戦や、焼きそばUFOやどん兵衛が発売になった年なんですよ。
洋梨

洋梨