ふうこ

ウォールフラワーのふうこのレビュー・感想・評価

ウォールフラワー(2012年製作の映画)
4.5

「ウォールフラワー」“壁の花” のように生きている高校一年生のチャーリーには、友達がいない。いわゆるスクールカーストの最下層に属し、高校生活に絶望していた。そんなある日、パトリックとサムに出会い……

引っ込み思案な主人公チャーリーを好演していたローガンラーマンはじめ、相変わらず美しいエマワトソン、『少年は残酷な弓を射る』とはまた違った役を演じるものの、独特の存在感と神秘的な魅力は変わらないエズラミラー。
それぞれから「青春」という独特の匂いがしてくるようで、良かったです。

「はみ出し者の島」の個性豊かな仲間たち。マリファナ常用者であったり、万引き娘であったり、パンクな仏教徒であったり…
少し前まで高校特有の、スクールカーストや暗黙のうちに「こうでなければならない」という基準を生々しく実感していたわたしとしては、こうしたある意味常識外れな「仲間」には純粋に羨ましさを感じました。

チャーリーと授業外でも読書感想文を通して交流していた、国語のアンダーソン先生の存在もとてもよかった。わたしもあんな恩師に出会いたかったな、と。

マリファナなどちょっとしたカルチャーショックを感じながらも、エンドロールではじわじわじわ…と涙してしまいました。なんの涙だったのだろうか、と上手く説明できない心の揺さぶり。

さいごに。
英語原題は「The Perks Of Being a Wallflower」、直訳は「壁の花であることの特典・役得」。
イタリア語の映画タイトルは「Noi siamo infinito」、直訳は「僕たちは無限大だ」。
どちらも秀逸に感じました。
ふうこ

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