ああああ……これは。衝撃作ですね。
カニバリズムといえばハンニバルシリーズのレクター博士ですが、彼のは“食事”としてのカニバリズムかつ、自分で好んでやってるわけです。
一方こちらは、本来の、“異常性癖”としてのカニバリズム。性欲は、人間の三大欲求の一つなわけで。つまり、完全に封じ込めることなどできないのですよ。映画に登場する彼や彼女らも、人を食い殺してしまうことがいけないことだと自分で分かっているし、どうにかしてやめよう、抑えようと必死に我慢しているんです。それでも抑えられない。
愛する人を殺したくないから抱けない、抱くと殺してしまう、でも愛している、失いたくない……という葛藤・苦悩。フランス映画の暗さがいい意味できいていますね。