ベンジャミンミン

ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金のベンジャミンミンのレビュー・感想・評価

3.5
彼らはバカだが、その思考のロジックは理解できる。“Don't be a don'ter, do be a doer”。「やれば出来る。やらなきゃ出来ない。」といったような類型の言葉も多数あるだろう。くだらないと言い切れるだろうか。塾のカリスマ講師なんかに言われたら触発されること間違いナシだと思う。
ヨボヨボジジイが金をもっていて、日々鍛えている俺は何もなし。そんなのおかしいんじゃないか?俺はdoerなのに何も手に入ってないじゃないか?金よこせよdon'terのクソジジイ共め。といってlet's do 強盗である。
世の中には今の自分の生活に悶々としていて、いつか一発当ててやろうとそれこそ自己啓発セミナーや自己啓発本を読んだりしている人もいると思う。そういう人たちは『ウルフ・オブ・ウォールストリート』でも描かれていた。そして自分もあの映画を観てアドレナリンが出ていっちょやってやるぜぇ〜なんて思った側の人間である(そしてほとんどの人がそうだと思う)。
彼らはそれを実行に移しただけなのだ。しかし残念ながらバカだったので、ちょっと短絡的な考え方だった。だが彼らのことを少なくとも個人的にはそこまで笑えない。その考え方にシンパシーを感じる部分がないとは言えないからである。しかもなんだかんだ言って結構惜しいとこまでいってるのが怖いし、最期は死刑になるのも(当然だけど)怖い。ラストの取って付けたような今ある幸せ〜的なモノローグは映画全体がアホっぽいのでとても安っぽく聞こえてしまうが、まあでも結局その通りなのだろう。
……ただこの映画長すぎである。100分以内くらいにまとめていたら本当に傑作だったんじゃないかと思う。