福福吉吉

ウォーム・ボディーズの福福吉吉のレビュー・感想・評価

ウォーム・ボディーズ(2013年製作の映画)
4.0
ゾンビが蔓延る世界で人類は壁に囲まれた都市に生きていた。ある日、少し変わったゾンビの青年Rは、食欲を満たすために人を襲っていたところ、ジュリーという女性に一目惚れをする。Rはジュリーを連れて自分の住処に連れて帰り、自分の気持ちを伝えようとする。

ゾンビの青年R(ニコラス・ホルト)を主人公にしたストーリーとなっており、その展開の意外性やゾンビであるRの心情の描写が本作をとても面白くしていました。

Rは自分の考えを持っていて、他のゾンビたちを俯瞰的に見たり、人生を嘆いてみたりと人間と変わりない姿が描かれていて面白いです。しかし、その一方、人間を食べる存在であり、畏怖すべき姿も描かれていて、人間の女性に恋する心と人間を食べる肉体という相反する性質が上手く描かれていました。

ジュリー(テリーサ・パーマー)は人類の指導者の父を持つが、気持ちが通じておらず、どこか冷めた感じがしていました。ジュリーはRに助けられ、Rの振る舞いに心を開いていくようになり、一変して感情の通った姿を見せてくれました。

Rとジュリーの交流が本作の見どころになっており、ジュリーがRを信頼し始めると、Rもゾンビの真っ白な顔の中にもどこか柔らかさが感じられました。2人でドライブするシーンがとても良かったです。

とても面白い作品でした。残酷なシーンはほとんど無く、とても観やすく、それでいて心が温かくなる作品になっています。ゾンビが苦手な方にも観てもらいたい作品です。

鑑賞日:2023年6月9日
鑑賞方法:U-NEXT
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