Chiaki

セッションズのChiakiのレビュー・感想・評価

セッションズ(2012年製作の映画)
4.2
首から下が麻痺してしまった詩人のマーク・オブライエンは、童貞を喪失するために、セックスサロゲートのシェリルからセッションを受ける。

R指定にする意味がわからないと、鑑賞した多くの人から疑問の声が上がったこの作品。確かにヌード姿や性描写にいやらしさを感じることはなかった。むしろ人が人と接するときの温かみを思い出せたり、セックスに対する印象が変わったり、若者にこそ見て欲しいと強く感じる映画だった。

ただ本当にR指定は必要ないのかと問われると、イエスとは言えないかもしれない。
例えば全年齢対象だったとして、「あ、すごく良さそう」と軽いノリで、もし親と一緒に見ようものなら気まずさMAXは確実だ。大袈裟に言うと小さい子供が何かの拍子に見てしまったら、かなりの大問題になってしまうだろう。それにこの映画が全年齢対象なら、他の作品はどうなんだってきりがないんだと思う。

R指定に反対の人がもつ、R指定に対するイメージも原因なのかもしれない。同じR指定でもいろいろあるし、「R18♡=性描写ありだけど過激じゃないよ」「R18⚠︎=かなり過激な性描写あり」みたいな…どうだろう(笑)
でもその判断基準が人によってまたバラバラだから、難しいですよね(^^;)

作品見たらいろいろ考えさせられて、特にセックスのこととか。非常に語りたいけど、リアルな友達も見ているのでやめときます。笑

中学生の時、授業の一環で養護学校に行きました。障害者の方たちと触れ合って、後日生徒全員が彼らにお礼の手紙を書きました。それを担任が読んだとき、「素敵な手紙ですね」なんて言われるとばかり思っていたら、「お前ら、あの人達はほとんどお前らよりずっと年上って分かってて書いてんの?」と少々怒り気味で言われました。その言葉がすごく胸に突き刺さりました。手紙を書いていた時、まるで小さな子供にでも宛てるかのような、どこか自分が上の立場でいるような感じがしていたからです。
その時は中学生ながら、自分を責め立てました(笑)

障害者は健常者の力を借りなければ出来ないこともあるけれど、だからと言って健常者の方が偉い訳ではない。そんな事は誰もが心得ていると思うけど、じゃぁ自分たちと対等な立場で障害者を見ているかといえば、本当にそうだろうか? 自分の子が障害を持って産まれるかもしれないという自覚を持っている人は、どのくらいいるんだろう。
同じ人間なのだから、マークがセックスしたいと思う事も当然。だから何の戸惑いもなく彼に触れるシェリルに、なんだかこちらまで感謝したくなる気持ちになった。そして改めて、どう障害者の人と接していくべきか、考えさせられた。

ヘレン・ハントの体当たり演技がとても素晴らしい。そして恋愛小説家のときと全く変わらない美貌に思わず釘付けになってしまう。

R18だけど、少しでも興味を持っていろんな人が観てくれたら嬉しいです(^^)
Chiaki

Chiaki