tKo

オン・ザ・ロードのtKoのレビュー・感想・評価

オン・ザ・ロード(2012年製作の映画)
3.6
ジャック・ケルアックによる同名小説を原作にしたロードムービー。カウンターカルチャーに多大な影響を与えた原作らしいですが実は全く存在すら知らず、『イントゥ・ザ・ワイルド』や『モーターサイクル・ダイアリーズ』のような作品だと思っていましたが、実際はそういうわけではなく、相関図や事物に対して咀嚼が必要な作品だと思いました。
小説家である主人公サルの目線で語られるサルとディーン、そしてそこに関わる人たちの放浪劇でロードムービーなのは間違いないのですが、『イントゥ〜』のような真理を探す旅とは一線を画していると感じました。どちらかと言うとディーンの本能的なジプシーさと行動力に周りが心酔し巻き込まれていくお話なので刺激的で楽しいだけが原動力であり、それはいつも刹那で結末は退廃的であるという事実。それぞれどこかで目が醒めるという部分ではすごくほろ苦い青春譚であります。それでもこの作品は十分観る価値があり面白いと思いましたが、細かい部分での登場人物たちの心の動きで疑問が色々あるので、観た人同士であれこれ語りたい作品です。
ギャレッド・ヘドランド、クリステン・スチュワード、エイミー・アダムス、キルスティン・ダンストなど豪華なメンツもさながら主演のサム・ライリーがとても好演でした。
tKo

tKo