ケンタウロス

オン・ザ・ロードのケンタウロスのレビュー・感想・評価

オン・ザ・ロード(2012年製作の映画)
3.8
公開当時の予告編
「僕にとってかけがえのない人たちは狂ったやつら。狂ったように生き、喋り、一度にあらゆるものを望んで、決してあくびをしない。退屈なことは言わない。彼らは燃えて、燃えて、燃えて、燃えて、まるで夜空の星のように爆発する。そんなやつらだ。」っていう言葉に惹かれてずっと見たかったやつ。

原作はジャック・ケルアックの「路上」という、ビートジェネレーションのバイブル的作品でボブディランも愛読していた。路上は途中で読めなくて挫折してたからまた挑戦したいなー。

映画としてはジャズに彩られた退廃的で破滅的なロードムービー。個人的には、青春の行き場のなさ、どうにでもなれっていうやけっぱち感は分かるから結構好きだった。40年代、50年代のアメリカの空気、ヒッピーの原型ともいわれるビートニクの始まりの頃の話だ。社会的には幸せを図る基準が金や物に寄っているけど、そうじゃなくて、自由を求めるマイノリティっていうのは、いつの時代でもいるんだなと感じる。

俺テレンス・ハワードが好きなんだと気づいた笑。かっこいい!

何をしたらいいかそんなことは分からないけど、退屈なことだけはしたくない。
側から見たらこの映画の登場人物達は
落伍者なのかもしれないけど俺はそういう人たちが大好きだな。

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別に破滅的な旅じゃなかったけど俺も22歳くらいの時に友達と1週間くらいバックパックで知らない土地を彷徨いたことがあって、旅で得た経験ていうのは何にも代え難く、爆発的に楽しく、今も記憶にしっかりこびりついている。真夏、ジャックダニエルの350ml瓶を飲みながら昼間は島をうろついて、夕方は魚釣りして、夜は海辺にテントを張って眠る。帰りは大阪に寄って、たこ焼き食いながら路上のジャズバンドに声援を送り、飲み過ぎて新宿のゴールデン街で入ったクソ狭い店のラーメンが食えなくて全部戻して、友達の家に帰ってまたダラダラ飲みながら1週間くらい過ごした。帰りはバイクだったが眠すぎてはじめて運転しながら寝てしまって危うく前の車に突っ込みそうになった…。

歳を取ると積み重なる物が多くなる、
というディーンの台詞があったが、
いつまでも身軽で(これは質量のはなしではなく)、年齢に関係なくパッと旅に出てしまえるような子供っぽさを持ち続けたいと日頃思っている。