公開当時はボロクソ言われた山下敦弘作品だが、今観るとのちの『天然コケッコー』や『一秒先の彼』といったほのぼのヒューマン路線の原型がある気がする。
後半の展開は完全に破綻しているが、オリジナル版の『媚・妹・Baby』の後日談と考えるとなかなか独創的なシナリオだと思う。脚本家の向井康介によるアイデアだろうか。土着的で難解な雰囲気が強く、完全にATG映画もどきになってる。
その後、山下作品は『リンダ・リンダ・リンダ』がミニシアター系でスマッシュヒット。やはりこの映画もATG的な作風で『スウィング・ガールズ』とは明らかに一線を画す雰囲気がある。
マイナー層から一般層にも人気があるという意味で非常にバランスが良い山下敦弘作品。本作はそんな隠れた青春おバカ・コメディの佳作といっていい、憎めない魅力のある映画。エロアニメ原作だが大してエロくないのが玉に瑕。😓
