似太郎さんの映画レビュー・感想・評価

似太郎

似太郎

ブラックサイト(2008年製作の映画)

4.2

別に凄く面白いっていう訳ではないけど、職人グレゴリー・ボブリットの丁寧な演出がハラハラさせられるネット社会の暗部を描いたサスペンス・アクションの佳作。

主演のダイアン・レインが格好良いため、ストーリ
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SHAME シェイム(2011年製作の映画)

3.5

【色キ○ガイの末路】

デヴィッド・クローネンバーグみたいな【変態系】装ってる割には凡庸なハリウッド映画みたいで大して感銘を受けない作品。

この監督はまだ若いからか、屁理屈で観客を釣ろうという魂胆が
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HUNGER ハンガー(2008年製作の映画)

3.5

たしかに相当力量のある囚人映画だとは思うけどキツネにつままれたみたいで何だかな〜。

ミヒャエル・ハネケとかクローネンバーグとか色々と既視感あるアート系映画をこの監督なりに折衷して「名作っぽく装ってる
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ゲド戦記(2006年製作の映画)

3.6

【青春咽び泣き】

これは父・宮崎駿のノリ+ヘタレ青年アレンくんのあっちへ行ったりこっちへ行ったりヒョロヒョロ徘徊するプロセスを若干ブラック・コメディー風に綴った重喜劇みたいになってる宮崎吾朗のデビュ
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ビバリーヒルズ・コップ(1984年製作の映画)

4.6

【森羅万象すべてを担当】

制作がドン・シンプソンとジェリー・ブラッカイマーという、70年代ニューシネマの残滓みたいな面子が企てるお気楽な刑事アクション。グレン・フライやパティ・ラベルの曲が流れたり、
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セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992年製作の映画)

5.0

【かぎりなく】

主演のアル・パチーノが全身全霊を投げ打って毒舌家退役軍人(しかも盲目)を演じ、『スカーフェイス』『狼たちの午後』をも凌駕する怒涛のテンションで157分があっという間に終わる90年代ア
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カラフル(2010年製作の映画)

4.2

【逸脱者たち】

完全に【説教臭さゼロ】のアプローチで挑む原恵一のクラフトマンシップ溢れる姿勢には、もはやアニメというサブカルチャーの範疇を飛び出た「現代社会批評」たり得ている美点がある。これなら実写
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インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008年製作の映画)

4.3

【愛も芸術もサヨナラ!】

もはやインディ・ジョーンズではなくて「おかわりジョーンズ」みたいなテイストで突っ走る【あとの祭り👑】感バリバリなスピルバーグの大カルト作。

ケイト・ブランシェットの女スパ
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アサルト13 要塞警察(2005年製作の映画)

4.0

【アゲイン】

あの日の感動よ、甦れ…!!という勢いで作り上げたジョン・カーペンターの初期作のリメイク版は、なぜか主演がイーサン・ホークとローレンス・フィッシュバーン、そしてジョン・レグイザモという面
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アストラル・アブノーマル鈴木さん(2018年製作の映画)

2.3

【堕落した中産階級】

こいつ何なん?w。と、思ったら鼻の穴のデカい松本穂香だった。

令和のYouTuber女子の叛逆物語。ある意味、ヤクザ映画風。全編、Xの荒れた書き込みを見てるような雰囲気があり
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無頼 人斬り五郎(1968年製作の映画)

5.0

【男の流転🌀】

ヤァ〜クザの胸はー、なぜに淋しい〜、黒ドスひとぉつ握りしめェ〜、おぉとーこが咲かす〜、死に花は〜〜、花なら赫いー、彼岸花ァ〜〜〜〜、ホイホイ〜〜〜〜🌺

第二作目『大幹部・無頼』で、
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大幹部 無頼(1968年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

【俺の明日はどこにある🥊】

豪腕と呼ばれた舛田利雄監督の下、石原裕次郎の『零戦黒雲一家』や『赤いハンカチ』などの助監督としてサポートしてきた小澤啓一の第一作。60年代末から70年代初頭にかけて日活ニ
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黄昏(1951年製作の映画)

4.0

【強情者】

所詮ヒューマンな文芸監督の域を出ないウィリアム・ワイラーなのだが、ビッチなジェニファー・ジョーンズが田舎からのし上がってきてレストランのオーナーのローレンス・オリヴィエ演じる上流階級出身
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廃墟の群盗(1948年製作の映画)

4.3

10代の頃にVHSで観たB級西部劇。巨匠ウィリアム・A・ウェルマン監督による密室性の高い無法者の末路を描いたもので、冒頭から砂埃で前が見えないモノクロの暗い雰囲気で始まる。

果たしてこの無法者たちと
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熱風の町(1949年製作の映画)

4.3

マーティン・スコセッシが生涯のベストに選んだと言われる埋もれたカルト西部劇。

ケバい色使いとテクニカルな映像センスがユニークな西部劇で、内容は至極単純明快ながらメキシコらしい異様な風土や少しストレン
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よりよき人生(2011年製作の映画)

4.4

セドリック・カーンは非常に巧い監督だと思った。全編、画(え)で語っている。決してシナリオやダイアローグに依存しない。

貧困層+借金塗れの若者と女、子供が擬似家族を形成していくプロセスをクールに活写し
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猿の惑星:創世記(ジェネシス)(2011年製作の映画)

4.2

お猿さん🐒増殖!っていう感じのRevoltを描いたSFディストピアものの傑作。ジェームズ・フランコもいい仕事をしている。

人間に取って代わる存在、それがお猿さんだ。

まさしくNEON GENESI
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友は風の彼方に(1986年製作の映画)

4.4

主演チョウ・ユンファの劇団ひとりみたいな面持ちと、80年代の東映アクションみたいなバタ臭さがどこか愛しく感じられるもう一つの『男たちの挽歌』。

設定に色々とツッコミどころは多いが、もしかすると『イン
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おもひでぽろぽろ(1991年製作の映画)

4.3

【あなたを見つけるために、私を失う】

高畑勲が『火垂るの墓』に次いで挑んだテーマはバブル終焉と同時にOLの女性が如何に自立して農家の嫁としての道を歩むか、だ。

当時のバブリーな世相とは裏腹に「完全
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河童のクゥと夏休み(2007年製作の映画)

4.2

【それでも世界はうつくしい】

子供向けを装った大人向けアニメという意味で原恵一は過去のクレしん劇場版のフォーマットを踏襲していると言える。原恵一なりの現代社会批評であり脅威の反日映画。

作画やキャ
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GONIN(1995年製作の映画)

4.8

【虚脱】

石井隆のライフワーク『名美』シリーズを経ての商業路線第一作。その名はGONIN(五人)。それぞれの男たちの「落とし前をつける」話になっている。制作は奥山和由。

本木雅弘や佐藤浩市や竹中直
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シルミド/SILMIDO(2003年製作の映画)

4.3

これ程パンキッシュ🎸なコリアン野郎どもの殉死を描いた軍事アクションをぼくは知らない。

ソル・ギャングがまるで『特攻大作戦』のリー・マーヴィンのように大活躍する当たって砕けろッ!!な精神構造が笑えるミ
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ヌードの夜(1993年製作の映画)

4.5

【長いお別れ】

安っぽいVシネ程度の映像美だが、石井隆ワールドに欠かせない竹中直人と余貴美子のクールな風貌見てるだけで飽きない。男と女のやさぐれた新宿ゴールデン街の匂いがプンプン漂う、まさしく石井ノ
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チェイサー(2008年製作の映画)

3.7

たしかに気合の入ったフィルムノワールだけど、前半のおバカ刑事の捜査の描写がグダグダでハ・ジョンウによるエグいバイオレンス加減もちぐはぐな印象。まだ駆け出しのナ・ホンジン監督の演出は未熟過ぎる。あるのは>>続きを読む

おのぼり物語(2010年製作の映画)

4.2

塩田明彦の助監督だった毛利安孝監督作品。主演の関西から上京した漫画家カラスヤサトシを演じる井上芳雄では品が良すぎてパンチが薄い。

『ニワトリはハダシだ』で熱の入ったドタバタ演技を披露したヒロインの肘
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レッドクリフ Part I(2008年製作の映画)

3.7

【帝国が襲ってくる!(;゚Д゚)】

鳩が今までより長く飛んでるジョン・ウー版三国志‼️

中国映画がだんだんハリウッドを凌駕する勢いだと思えてきた、ホンマもんの歴史超大作とはこれや〜!💪みたいなウー
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ダイアリー・オブ・ザ・デッド(2007年製作の映画)

3.7

ありゃりゃりゃ〜!?。ロメロ御大がモキュメンタリー風ゾンビ映画に挑戦し、まるでブレア・ウィッチみたいなコケ脅し作品となってしまったー!!😆

もはや怖くも何ともないブラック・コメディーでこれなら『クロ
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ランド・オブ・ザ・デッド(2005年製作の映画)

4.6

ロメロは一貫して反骨監督としてのスタンスが崩れない。そこがスゴイ。ある意味、反社会性の塊。それこそがゾンビ映画なのだ。

近未来を舞台にした若干『メガフォース』(クソ映画)みたいな雰囲気なのにアーシア
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あらしのよるに(2005年製作の映画)

4.0

『銀河鉄道の夜』『タッチ』の杉井ギサブロー監督のアニメ映画で、木村裕一原作の児童絵本を映画化したもの。中村獅童が意外とオオカミさんの声に合っていて、ヤギのメイのカマを掘りたい欲望を忠実に描いたBL変態>>続きを読む

愛馬トリッガー(1946年製作の映画)

4.0

歌うカウボーイことロイ・ロジャース主演のカウボーイと愛馬トリガーとの友情を描いた古き良きウエスタン。

アメリカ人にとっての心のふるさと=西部の風景が渋いモノクロ映像によって描かれる。とてもアットホー
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ウルトラマンゼアス(1996年製作の映画)

3.6

【隠し芸大会ならTVでやれ】

とんねるずの皆さんが出演しているガソリンスタンド提携による企画モノ。お笑い路線のウルトラマン映画。「あっそ」っていう印象しか浮かばないしょぼさがあるけれど、Z級すれすれ
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ULTRAMAN(2004年製作の映画)

3.6

【俺はオナラで空を飛べるぜ!!】

子供の頃はVHSで友達と『ウルトラマン』とか『ウルトラQ』ばかり観ていたんだけど、今は何故か『ゴジラ』や『座頭市』シリーズの方が好きになってしまった。年を取ったのか
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化け猫あんずちゃん(2024年製作の映画)

4.6

【鑑賞後はニャッハー!😸】

去年、劇場で観ようと思ってたが評価ビミョーで躊躇ってた一作。監督、山下敦弘と脚本、いまおかしんじというコンビだったら過去に森山未來主演で西村賢太原作の『苦役列車』がある。
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帰らざる河(1954年製作の映画)

4.3

【ぼくの考える、最強の西部劇🌵】

小6の頃、よく観ていた西部劇は『シェーン』と『アパッチ砦』と本作かな。他にイーストウッド主演のマカロニ・ウエスタンとかはしょっちゅうテレ東で掛かってて子供心にも「怖
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言の葉の庭(2013年製作の映画)

3.0

【「痛み」「臭み」の殺菌された青春アニメ】

同監督の『君の名は。』でも若干感じたんだが、新海誠の作るアニメは全てがキラキラしていて日本的でまるで【幸福の科学】が作るスピリチュアル系映画の雰囲気あって
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化身(1986年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

【精通】

ぼくが小6のときに、こっそり親の持ってるVHSで鑑賞して初めてオカズにした映画。本作が初主演となる黒木瞳の清楚な裸体と主人公・藤竜也のエロチックなまぐわいで思わずピュッ、ピュッ💦した記念碑
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