似太郎さんの映画レビュー・感想・評価

似太郎

似太郎

狂った野獣(1976年製作の映画)

4.6

【青春の乱れ撃ち】

如何にも中島貞夫らしい、B級テイストバリバリなプログラム・ピクチャーの掘り出し物。東映らしいゲロゲロなセンスを満喫。

🦑ゲテモノ食い、イカモノ食いがお好きな方には必見とも言える
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懲役太郎 まむしの兄弟(1971年製作の映画)

3.8

【娑婆ダバ】

中島貞夫監督作としては平凡な出来。主演の菅原文太と川内民夫の掛け合わせが何だか合ってるような、合わないような…。

本来コメディならコメディ、ヤクザならヤクザと割り切るべきだったんだと
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殺人捜査線(1958年製作の映画)

4.0

どんなに凄い傑作かと期待して観たのだが正直、そこ迄では無かったかな。オチが予想の範囲内。

しかし本作でもドン・シーゲルの怪物的技量は否応なく発揮されており、グイグイ見入ってしまう吸引力がある。B級に
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刑事マディガン(1967年製作の映画)

4.5

非常にオーソドックスな刑事映画。のちにTVドラマ化もされたリチャード・ウィドマーク主演の一級の娯楽作。

さすが『ダーティハリー』のドン・シーゲル監督らしく、律儀でタイトな演出だった。それにしても男臭
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蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳(1998年製作の映画)

3.5

ナンデスカコレハ???

ベケットみたいな不条理演劇なのか刑事アクションなのかどっち付かずで観ててムズムズする。いわゆるポストモダン的閉塞感が全編に渡り物凄く出ていて、閉口してしまう一作。

車で横移
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蛇の道(1998年製作の映画)

3.7

全編に渡って映画美学校臭がハンパではない作品。黒沢清絶頂期の…というか完全に北野武のパクリなのだが…何やら観ていてしっくり来ないホラー映画である。内容も不気味というよりは、滑稽で笑える。

この手の刑
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THE 有頂天ホテル(2005年製作の映画)

3.6

本作については何回同じようなシチュエーション繰り返すのぉ〜???と、突っ込みたくなる映画である。あの『グランド・ホテル』形式を真似たから一体、何だという話。結局コンセプトだけで中身が無い。

三谷幸喜
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.6

完全に上滑った猿芝居を見せられてるような違和感が全編に付き纏っていて、至極残念だった。ウェス・アンダーソンの如何にもお利口さん的で冷めた演出が自分には合わないようだ。

最近の若手監督ってこういう中途
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グラン・トリノ(2008年製作の映画)

3.7

さすがにクリント・イーストウッドとは言えども、ここまで自らを神格化してまっては反則行為と言える。セコイことこの上ない。ちょっと小賢しいアメリカ版『罪と罰』のような映画になってしまった。

彼特有のナル
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フリークス(怪物團/神の子ら)(1932年製作の映画)

5.0

トッド・ブラウニングは虐められている人の気持ちが良く分かる監督だった。

世間から化け物として扱われている小人や奇形児が真人間に復讐するまでを描いた一代スペクタクル。

結局、最も醜いのは奇形(フリー
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バットマン リターンズ(1992年製作の映画)

4.3

いや、これは相当ビザールな世界観だよ。正しくティム・バートンにしか作り得ない、純正のアウトサイダーアート。ある意味『ジョーカー』以上にルサンチマン臭が漂う。

出てくるキャラクターが全員心に傷を持った
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バットマン(1989年製作の映画)

4.3

おれは正直、クリストファー・ノーランの『ダークナイト』が嫌いだ。たしかに脚本の完成度は高いけれど。🤷‍♂️

ティム・バートン版の『バットマン』の方がより邪悪で茶目っけがあり、雰囲気的にも50年代のフ
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タイム・マシン/80万年後の世界へ(1960年製作の映画)

4.1

子供の頃ビデオで観た記憶。やはりこのような正統派SF映画って、もう作られないのか?

タイムトラベルものでは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』があまりに有名過ぎて知名度の低い映画だが、いま観ると非常に
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禁断の惑星(1956年製作の映画)

4.1

子供の頃ビデオで観た記憶。

ちゃちい着ぐるみみたいなロボット(R2-D2の原点?)が何とも言えないキュートさを醸し出している。いま観るとレトロな意匠が逆に新鮮で、安っぽい『惑星ソラリス』みたいな内容
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ファントム・オブ・パラダイス(1974年製作の映画)

4.3

この悪ふざけ感はある意味『デトロイト・メタル・シティ』にも通じる。デ・パルマ監督の初期の佳作。のちのアニオタ(ルパン三世のモデルになった悪役等)から熱狂的な支持を得た作品でもある。

サブカル雑誌、【
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キャリー(1976年製作の映画)

4.3

この頃のデ・パルマのくどい演出さえ気にならなければ大いに楽しめる青春ホラー映画。シシー・スペイセクがブスなのに愛おしい主人公を好演。怖い、というよりは切ない。

原作はスティーヴン・キング。この人の小
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ニキータ(1990年製作の映画)

4.3

惜しいことに「未完」で終わってしまったバイオレンス・アクションの隠れた逸品。この頃のリュック・ベッソンの演出はワイルドで激しかったなぁ〜。

殺し屋の女と男との凶暴な純愛を描いた意味では『レオン』と好
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レオン(1994年製作の映画)

4.6

未だにスピーディーで破壊的なテンションの持続するリュック・ベッソンの一代傑作。…と思ったらこれだけだったのか。🤔

本作以降、徐々に衰退していくベッソンの特異な映画話術が本作では大いに炸裂しておりそち
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鬼火(1963年製作の映画)

4.5

破滅志向のブルジョワ青年の内面世界を半ばエッセイ的に綴ったシリアス・ドラマ。やはり『死刑台のエレベーター』のルイ・マルらしく終始気取った演出が印象的。

どこか北野武の『ソナチネ』にも似た静的なナルシ
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地下鉄のザジ(1960年製作の映画)

4.5

個人的にルイ・マルはそこまで好きな監督ではないけど、本作は相当ブラックユーモアの効いた秀逸なコメディだと思った。決して子供向けではないけれど、ファンタジックな秀作。

恐らく監督は少女ザジの視点を通し
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息子のまなざし(2002年製作の映画)

4.5

個人的にダルデンヌ兄弟の愚直で生真面目な演出スタイルが若干、苦手意識があるのだがちょっとベタなロベール・ブレッソン(?)みたいな試験的な雰囲気そのものは好き。

主演のオリヴィエ・グルメの鬼気迫る演技
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

3.8

巨匠ケン・ローチだけあって手堅い作りの社会派ドラマ。個人的にこの監督は愚直というか、生真面目過ぎる演出がちょっと苦手なんですけどね、ぼくは。

主演俳優の素晴らしさは言わずもがなだが、厳格なドキュメン
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マリア・ブラウンの結婚(1979年製作の映画)

4.6

R.W. ファスビンダー作品中で最も万人ウケした文芸メロドラマ。主演のハンナ・シグラが映画史上に残る名演。正直言ってイヤな性格の女なんだけど、そういう「イヤな面」も含めて人間臭いというか、何だか愛おし>>続きを読む

ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

5.0

【絶望する勇気】

訳ありなファッション・デザイナーとその召使との主従関係にメスを入れたファスビンダーの野心作。ファスビンダー作品の中では「痛い映画」と「痛々しい映画」と二分化される訳だが、どちらかと
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13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

5.0

ここまで赤裸々なファスビンダー映画というのもそう無いよ!😱⚡️

大ヒットした名作『マリア・ブラウンの結婚』のあと再びインディーズ路線に回帰した、ゲイの主人公を含めて全員堕落した人間ばかり出てくるメロ
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ベロニカ・フォスのあこがれ(1982年製作の映画)

4.3

これはとことん救われない『サンセット大通り』の麻薬中毒バージョンだ。若干クラシカルなモノクロ映像が息を呑む美しさ。

古き良きフィルムノワールやサスペンス映画を想起させる画面構成。ヨーロッパ映画という
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不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

5.0

ファスビンダー映画の中でも不条理度、悲惨さに於いて頂点を成す傑作。巨匠ダグラス・サークの『天はすべて許し給う』の裏テーマをとことん突き詰め、最後まで報われないラブストーリーに仕上げた手腕はさすが。>>続きを読む

自由の代償(1975年製作の映画)

4.5

ファスビンダー演じる幸薄いゲイが金持ち野郎に根こそぎ搾取される顛末を描いたメロドラマ。かなりドス黒い内容なので笑うに笑えない。

数あるLGBT映画の中でも一際、アクの強い作風でカラフルな映像美とは裏
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四季を売る男(1971年製作の映画)

4.3

バカな奴は美化せずに徹底してバカにする。そこが最もファスビンダーの意地の悪いところだ。

何をやっても良くならない、ドイツの田舎の商売人夫婦のドタバタ・コメディ。ファスビンダーにしては悪ふざけ的なポッ
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不安が不安(1975年製作の映画)

3.8

ファスビンダーがテレビ用に手掛けた女性ならではの不安心理を抉った怪作。

現実逃避を繰り返す主人公の女性の内面に肉薄する仕方が、如何にもファスビンダー流。自分が自分じゃないような、違和感。

身近に迫
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聖なるパン助に注意(1970年製作の映画)

4.2

名手ミヒャエル・バルハウスによるカラー撮影を得て、少し作風がオープンになったファスビンダーの「映画内映画」の秀作。

前作までの不条理路線をさらに突き詰めた印象もあり、女優がかなりファム・ファタル度を
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悪の神々(1970年製作の映画)

4.0

再びファスビンダーによるチンピラ活劇。これはこれで見応えのある佳作。デビュー作『愛は死より冷酷』の焼き直し感は否めないとしても、スピード感のUPした演出はさすがである。ファスビンダー流の遊び映画。>>続きを読む

出稼ぎ野郎(1969年製作の映画)

4.0

ファスビンダーの前作『愛は死より冷酷』の活劇性と比べるとかなり社会派でヘビーな後味が残る「弱い者イジメ」映画の佳作。

ドイツ人に搾取されるユダヤ人商社マン(出稼ぎ野郎)をファスビンダー自身が自虐的に
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愛は死より冷酷(1969年製作の映画)

4.2

R.W.ファスビンダーの長編第一作。監督、脚本だけでなく自ら主演もこなすマルチぶり。

全体的にゴダールの『勝手にしやがれ』などの影響が強く、非常にヌーヴェルヴァーグ的な作りなので後年ほどメロドラマ色
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散り行く花(1919年製作の映画)

5.0

これはロリコンの人しか楽しめない映画なのだろうか?…と思うくらい、リリアン・ギッシュが可憐な乙女を熱演。

映画の父、D.W.グリフィス監督による切ない悲恋もの。シンプルなストーリーにシンプルな画角。
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野いちご(1957年製作の映画)

4.6

【人生は一回】

イングマール・ベルイマンはいつ観ても堅実な映画作家だ。やはり北欧の監督ということもあり、キリスト教的バックボーンが相当根強い。

原因不明の妄想に取り憑かれた老教授、イサクの内面世界
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