sassan_ega

永遠の0のsassan_egaのレビュー・感想・評価

永遠の0(2013年製作の映画)
4.0
宮部久蔵のように、自分の信念を貫くのは難しかった時代。
お国のために死ぬことを美徳としていた価値観のもとで、まだ若い教え子達が特攻で次々死んでゆく。
宮部の苦悩は計り知れない。
最後、教え子に大切な宝を託したのは、自分はもうこのまま生きて帰ってもまともな未来は描けないと絶望したからなんじゃないだろうか。

戦争で死んだ人達は決してこんなことをするために生まれたのではない。家族と共に幸せな未来があって当たり前なはずなのに。
今幸せでのんきに暮らす自分たちの状況とあまりにも違い戸惑う。ここは彼らが理想とした未来なのだろうか?

生きたいと願うことを悪として戦ったものも、
待つものの為に生きるため戦ったものも、
どちらも強いと思う。
皆が精一杯だったのだと、その張り詰めた状況を想像してひたすら悲しかった。

実際の戦争はこの映画のように収まり良くはないと思う。
けれどどんな形にせよ、今あらためてこういう風に命をかけて戦った時代があったのだと伝えられてよかったと思う。
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