やすtea

ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女のやすteaのネタバレレビュー・内容・結末

2.4

このレビューはネタバレを含みます

ヒッチコックファンなら、彼がヒロイン女優に、少なからずの下心を持ち合わせているという逸話は、あまりにも有名な話。

CMモデルだったティッピ へドレンを大抜擢してから、「マーニー」で、女優の印籠さえも渡したヒッチコック。

彼がティッピにしたセクハラを描いた(吐露した)作品。

まぁねー、死人に口なしなもので、detailは不明だが、大枠こんなもんでしょ、監督って。

よっぽどの演技力を備えた女優でない限り、大体が自分の好みで女優を選び、才能=女性の魅力を引き出す。

昔は、ゴダールだって、セルジュ ゲンズブールだって、おおよそせうでしょ。

ただ、ヒッチコックがぶちゃいくだから、そうならなかった。

ヒッチコックはかなり自分自身にコンプレックスを持っていた人なので(だから余計に内気)、作品の主人公は間違いなく自分自身に置き換えている。
というより、願望? 妄想?

しかもかなりの目立ちたがりやなので(これもコンプレックスを持つ者の特徴だ)、必ず自分を作品に登場させる。

ファンの間では、"ヒッチおじさん探し"として恒例で、ユーモアのあるおじさんというイメージだが、彼は主張したいのだ。

まさに、「映画は監督のもの」を地で行っている。

お気に入りの金髪美女を、モノに出来ない辛さは、彼のコンプレックスに拍車をかけたに違いない。

グレース ケリーは元々裕福な生まれだし、既に「真昼の決闘」で、ゲイリー クーパーの相手役として世に出ていた。

キム ノヴァクは、大手コロンビアの大事な商品だ。

はたまた振り出しに戻ると、イングリッド バーグマンは愛に走り、未練なしでハリウッドを去った。

ティッピなら、自分が発掘し、自分カラーに染め上げ、恩を着せれば。という目論みがあったかな。

でも、実際スターになったわけだしね。

で、本作の出来はというと、
やはりヒッチマニアとまでも行かずとも、この辺りの情報や、彼の作品を熟知してる人でないと、鵜呑みになっちゃうよ、オイオイとなる。

ヒッチコックは、グレース ケリーに焦がれ、イングリッド バーグマンに執着したかった。

だが、世紀の美女2人に逃げられ、間違いなく代替品としてのティッピだったと、私は思う。

だが本作では、かなりイイ女で描かれているのは序の口で、女優としても大成したかのような存在になっちゃってる。

確かに美人だが、やはり女優としては欠けていたと思う。

やっとヒッチの呪縛から解けたんだから、他でも抜きん出るはずだもの。

と、ティッピにいい感じでまとめられてるのが、気に食わない。
やはり、死人に口なしなのだ。

ヒッチコックと彼の奥さんを演じてた俳優が、上手く似せてた。


シエナのティッピは、どおかなぁ。

美人なんだけど、少しタイプが違うような。
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