みおこし

ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女のみおこしのレビュー・感想・評価

3.2
過去鑑賞。『鳥』の主演でおなじみの女優ティッピ・ヘドレン(メラニー・グリフィスのお母さん!)と、監督を務めた名匠アルフレッド・ヒッチコックの知られざる確執を描いたHBO制作のテレビ・ムービー。

実はティッピがヒッチコックから執拗なセクハラを受けていた、という衝撃の事実が生々しく描かれ、主演2人の鬼気迫る演技もあいまってまるでドキュメンタリーのようなリアリティでした。
トビー・ジョーンズ扮するヒッチコックが、とにかく一挙一動に嫌悪感を覚えてしまうほどに気持ち悪くて、シエナ・ミラー扮するティッピの苦悩が手に取るように分かりました。もしこれが事実だとしたら、どれだけ撮影大変だったのだろう…。

とはいえ、映画を愛する者として敬愛してやまない監督の一人であるヒッチコックの知りたくなかった本性を知ってしまったことに、言葉にできない切なさを覚えるばかり…。もちろん被害者のティッピには同情するのですが、あえて映像化する意味ということに疑問をつい感じてしまったのでした…。
Netflixのオリジナル・ドラマ『ハリウッド』を観たときに、ヴィヴィアン・リーの描き方に少し悪意を感じて悲しくなったときもこんな気持ちになったなあ…。

決してつまらない映画ではなかったのですが、クラシック映画ファンにとっては2回以上観るのは何ともつらい作品だと思います…。
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