りんちゃん

たまもののりんちゃんのレビュー・感想・評価

たまもの(2004年製作の映画)
4.2
【彼女の心情と思ってもない結末】

いまおかしんじ監督、林由美香さん主演のピンク映画。

プロボウラーを目指す少し変わった無口なローテンション女子がいろんな男女に出会って愛というものを知っていく話。

とにかく林由美香さんが凄いの一言に尽きる。始まりから終わりまで99.9999%セリフが無い。
すべて表情や動きだけで表現しているという点もやはり林由美香さんの持ち前の人間性だと思う。
愛を知り人の為になにかしたい!という思想が逆に空回りをしてしまいよくない方向へ向かってしまうストーリー展開も見ていて辛くはなる。
愛を知りすぎたせいで彼女は予想しえないラストへ向かっていく。

この作品を観て、今は亡き"林由美香"という女優がどれだけスゴい人だったのかと。
平野監督の『監督失格』でもそうだったが、彼女の存在感や周りを包む雰囲気がとてつもなく不思議な感じと逸材感を醸し出していた。

『たまもの』は林由美香という女優がこの世に遺した居場所なのかもしれない。
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