シュンギク

麦子さんとのシュンギクのレビュー・感想・評価

麦子さんと(2013年製作の映画)
5.0
親への罪悪感と贖罪の物語。


親への距離の取り方、反発。甘えさせてくれる大人に八つ当たりする姿も、自分の過ちに気づく姿にも共感しやすい構成になっている。
「ああ親子ってこんな感じだよな」って納得させられてしまうのが見事。
お墓の前で麦子が告白するシーン、号泣必至です。


吉田恵輔監督の登場人物ってみんながみんなそれなりにイタいのが良いんですよね。実に人間臭くてリアル。
今回はダメっぽい兄貴を演じた松田龍平や、母親感がありすぎる余貴美子がすごいリアルでした。余貴美子って、全然本物と違うけど俺の母親じゃないか?って錯覚できるほどw

その他のキャスティングも素晴らしかったです。主演の堀北真希は佇まいが素晴らしいし、麻生祐未も、温水洋一もよかった。温水さんは話の流れで「変態なのか?」と思わせておいて大人としてきちんと締めたのが素敵。


これ95分しかなかったんですよねぇ。観終わったあとに気づいて衝撃。
濃密でムダがないのに話を急ぎすぎてない、最高かよ。このテの邦画は2時間余裕で超えそうなのに。

観るときは、エンドロール最後まで。