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劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女のAZのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

ライトノベルを原作とするテレビアニメ「魔法科高校の劣等生」の初の劇場版アニメ作品。

実のところ、原作もアニメもまるで未知である。
そもそもライトノベルから離れてもはや長い。とりわけ今時のライトノベルはどうも設定が難解に思えて理解しがたいモノではある。
だが、まあ何とかなるだろうとふわっとした考えでNetflixで再生した。それがかなり甘めの見通しではあった。

「魔法科高校の劣等生」は魔法科高校で養成される魔法師を目指す学生たちの超能力バトルアクションである。
「さすおに!」と言うワードはインターネットで目にしたことはある。それだ。
Wikipediaによると、「ハリー・ポッター」から影響を受けているらしい。なるほど。複雑に思える設定も含め、綿密に世界観を練り上げて展開する物語のようだ。

本作は春休みにバカンスを楽しんでいた司波達也らの前に、軍の実験施設から脱走してきた少女・九亜が現れることでアメリカ軍なども巻き込んで物語が展開していく。
九亜は「ここあ」と読む。なかなか大胆なネーミングだ。
九亜には同じく実験に使われる四亜などの姉妹がいる。彼女たちを全員助け出すのがストーリーの骨子となる。

意外にも展開はゆるやかな作品だった。
前半はバカンスと謎の少女を助ける様子を、様々なキャラクターを見せながら展開していく。
派手に引きつけるためにとりあえずバトル!と言うことのない、設定とキャラクターでストーリーを引っ張っていくスタイルだ。
その一方で終盤は暗躍していた集団相手に派手めに戦っていく。

アメリカ軍スターズのリーナの出番が多めで、キャラ的にも人気のあるヒロインと主人公を取り合うような関係の人物なのだろう……と思っていたら、意外にもアニメ初登場のキャラクターだったらしい。
と言うか、この劇場版アニメ自体がテレビアニメ終了後からかなり後の、時系列的にまだアニメ化していないストーリーの後の話らしい。
なぜそんな時系列の話を……!?と戸惑うところではあるが、まあそこはそもそも全てにおいて初見の身ではどっちでも良いところだ。

当然と言えば当然だが、特にこれまでの物語のおさらいをしてくれるでもなく話を展開させていくので、内容が難解ということではなく完全初見ではキャラや設定の把握に戸惑う話ではあった。
加えて悪いことに、別に悪くはないのだが、全般的に派手さで引きつける展開ではなかっただけにノリで理解して楽しむと言うことも難しい内容だ。
そういう点では確かにハリポタにもそういうところはある。設定の理解で戸惑っているレベルではついていけないのだ。

もちろん最低限の内容さえ把握していれば劇場版らしいファンサービスや派手めのシーンで気持ち良く盛り上がれることは想像できる。
アニメファン、あるいは原作ファンでなければそもそも観ないと言えばそうなのでアレだが、事前にある程度のおさらいはしてから臨みたい作品である。
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